2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K14976
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
梅田 隼 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30757563)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 波力発電装置 / ポイントアブソーバー / 制御 / 海洋エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋波は様々な周波数をもった波が含まれるが,一般的に可動浮体の上下揺れの周波数応答は狭域であるため,同調点付近以外の波が卓越する場合,波力発電装置の電力量が低下する.広範な波条件下で波エネルギーを多く回収するために様々な制御の開発が行われてきた.本研究課題ではこれまでに,モデルベース強化学習を用いた制御手法の開発と同時に基準となる制御手法の開発を行った.また,機械摩擦等のモデル化に考慮していない要素(モデル化誤差)により,想定した発電性能は得られないことを確認した. そこで,パラメータにモデル化誤差を含む条件下でも,制御性能が低下しない制御としてベイズ最適化を用いた方法を開発したが,この方法では,モデル化誤差がどの程度が推定できず,制御モデルがどの程度修正すればよいかを判断できない.本年度は,過去に実施した水槽試験結果と数値シミュレーション結果を比較しながら,発電性能が低下しないようにモデルのモデル化誤差を推定する方法について開発し,数値シミュレーションで検証した. 波力発電装置の数値シミュレーションモデルにおいて.誤差が大きいと考えられる1次と2次の減衰力係数を推定する方法について検討した.波力発電装置浮体の固有周期付近では,実験結果から減衰力係数を推定できているが,固有周期より長い周期では減衰力係数を過大に評価する結果となった.長周期では,運動振幅に対して減衰力係数の影響が小さくなるため,正しく推定できていない.減衰力係数が重要となる固有周期付近の減衰力係数は十分な精度で推定できたため,検討した手法は有効であると確認できた.また,水槽試験の模型の設計を実施しつつ,水槽試験の模型の発電量を測定する方法が問題ないことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル化誤差を学習する方法を検討し,過去の水槽試験結果を用いて問題なく,モデル化誤差を学習することを確認した.また,最終年度で実施する水槽模型試験の制作準備とにも着手しており,全体的には(2)おおむね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに数値シミュレーションで検討した手法の検証する水槽実験の準備、試験装置の製作との試験準備に努めて,10日間程度の試験実施と発電量測定を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で旅費の支出がなかった.今後も学会等がオンライン開催になることが想定されるため旅費の支出が少なくなる.今後,模型製作および制御システム開発の必要があるので,これらの製作の費用として使用額を充てる予定である.
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Research Products
(2 results)