2021 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the effect of chemical structure of modified filler for high performance polyimide composites
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20K15043
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| Research Institution | Chubu University |
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Principal Investigator |
守谷 せいら (森棟せいら) 中部大学, 工学部, 講師 (30748942)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | ナノ複合材料 / ナノダイヤモンド / 修飾鎖長 / ポリイミド / 力学物性 / 熱物性 / 相互作用 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
オクタデシルアミン（ODA）をはじめとする種々のアミンを用いてナノダイヤモンド（ND）の表面化学修飾を行った。フィラー存在下でポリイミド（PI）を合成してナノ複合材料を作製した。
構造解析では，PI中にて各種NDは良好に分散した。力学物性では，PIと比較して，各種NDを充てんしたナノ複合材料の弾性率および強度は大きく増加した。未修飾NDを充てんしたナノ複合材料では，弾性率が約1.5倍となったが，引張強度の増加はわずかであった。一方，化学修飾NDを充てんしたナノ複合材料は，弾性率のみならず引張強度も大きく増加した。修飾鎖の最も長いND-ODAを充てんしたナノ複合材料が最高弾性率および最高引張り強度を発現した。アルキル末端となったためPIとの良好な相互作用が得られたと考えられる。また，修飾鎖とPI分子鎖が絡み合い，物理的相互作用が生じたことが示唆された。破断ひずみにおいては，いずれの複合材料も大きな低下がみられなかった。引張りに応じて修飾鎖とPI分子鎖との絡み合いが徐々に解け，破断ひずみが保持されたと考えられる。一方，未修飾NDはPIとの相互作用が小さく，界面からの破壊が生じやすかったため，破断ひずみが小さくなった。
一般に，アスペクト比の小さいフィラーは，熱伝導率や導電率の増加に寄与しにくい。しかし，各種NDを充てんしたナノ複合材料はごく少量の充てんでも熱伝導率が増加した。厚み方向では，各種NDの充てんにより，熱伝導率が２倍以上となった。これは，ND近傍のPIの構造（配向や結晶化度）が変化し，熱伝導経路の形成に寄与したためであると考えられる。特に修飾鎖の長い修飾NDを充てんしたナノ複合材料が高い熱伝導率を示す傾向がみられた。
以上より，NDの修飾鎖長により，化学的相互作用に加えて異なる物理的相互作用が生じ，それがナノ複合材料物性に大きく影響することが明らかとなった。
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