2021 Fiscal Year Annual Research Report
高速信号処理技術を用いた3次元AFMのリアルタイムインテリジェント制御
Project/Area Number |
20K15172
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮田 一輝 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 助教 (10788243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高速信号処理技術をAFM計測へ適用することで、幅広い試料の高速3次元サブナノスケール構造・動態解析を実現することを目的としている。これまでにインテリジェントなリアルタイム測定制御を実現するため、AFM画像認識システムの技術基盤構築やField Programmable Gate Array(FPGA)を用いたAFMコントローラの開発に取り組んだ。 今年度は、開発した装置の実用性を実証するため、実際に構造変化を持つ試料のAFM計測に取り組んだ。ここではカルサイトの純水中における結晶溶解過程に着目し、表面に形成されたエッチピットの純水中での構造変化を1 s/frameの速度で原子分解能観察を行った。その結果、エッチピットの内部に表面吸着層を形成することや、それがエッチピット形状を安定化させる効果があることを明らかにした(J. Phys. Chem. Lett., 2021)。また、開発したAFMコントローラで複雑な構造の計測が可能であることを確認するために、広域走査可能なスキャナを搭載した市販のAFM装置に接続した。これを用いて、実際に細胞全域を3次元的にスキャンできることを確認した。 このように、本研究期間全体を通して、高速信号処理を用いたAFMによる高速・3次元解析を行うための基盤技術を開発し、それを用いた応用研究を実施した。今後も、様々な試料の固液界面計測を通してデータを蓄積し、高速3次元AFMの精度向上を実現する。
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Research Products
(3 results)