2021 Fiscal Year Research-status Report
Electrochemical Synthesis of Chiral Heterohelicenes
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20K15281
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐古 真 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (20804090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヘテロヘリセン / 酸化カップリング / クロスカップリング / 電解合成 / ワンポット反応 / 円偏光発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電気化学的手法を活用する新規ヘテロヘリセン類の革新的合成法の確立を目指す。これまでに報告されているヘリセン化合物の合成例の多くは、煩雑な合成や高温条件を必要とする手法が多い。電解合成によってヘリセンを効率よく合成している例は無く、従来のヘリセンの合成研究とは一線を画している。本手法により、多様性に富んだキラルヘリセン化合物の迅速合成が可能となれば、様々な分野の機能性化合物群を提供でき、ヘリセンの機能性材料としての発展に貢献できる。 前年度に、ピロール環を有する多環式フェノールと2-ナフトール誘導体の電解反応によりピロール環とフラン環を含むヘテロ[7]ヘリセン誘導体が得られることを見出した。本年度は、まずスケールアップ合成について実験を行った。その結果、電極にフッ素ドープ酸化スズ(FTO)を用いることで、電解合成のスケールアップに成功した。また、光学分割後に得られた光学純粋なヘテロヘリセン類のキラル光学特性の評価を行った。特に、円偏光発光(CPL)の測定を実施したところ、それらのg値(異方性因子であり、左右円偏光発光強度の差と発光強度の比率( = 2(IL-IR)/(IL+IR))で定義される)は3.0 × 10^-4前後であり、低分子化合物としては比較的優れた円偏光発光特性を有していることが明らかとなった。本合成法では、種々の置換基を導入したヘテロヘリセン化合物を簡便に合成できることから、体系的にCPL特性に関する情報を取得することが出来ると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたヘテロヘリセンの光学特性の評価を実施し、期待通りの円偏光発光特性を確認できた。また、スケールアップ合成にも成功し、各種置換基を有する光学純粋な化合物の物性評価に必要な量も確保できた。現在のところ、ヘリセン合成に関する研究は研究計画書通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の置換基を持つヘテロ[7]ヘリセンの光学純粋体を準備し、それらのキラル光学特性(円二色性や円偏光発光)について体系的に調査する。また、基質一般性を調査している際に、同反応条件下でヘリセンからもう一段階脱水素環化反応が進行したデヒドロヘリセンの生成を確認した。本化合物の円偏光発光を測定したところ、ヘテロ[7]ヘリセンよりも優れた円偏光発光特性を有していたため、今後はデヒドロヘリセン類についても同様に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
反応基質の合成が比較的安価な市販試薬から実施でき、また光学分割に必要な分取用キラルカラムは研究室で保有しているカラムで実行可能であったため、物品費の繰り越しがあった。また、参加した全ての学会がオンラインでの実施となり、旅費の繰り越しもあった。今年度請求分により、次年度に新たな化学薬品やキラルカラムの購入、関連学会での情報収集に研究費を充てる。
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Research Products
(8 results)