2021 Fiscal Year Annual Research Report
Biomimetic synthesis of pyrrolizidine alkaloid based on structurally diversity-oriented aproach
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20K15462
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増井 悠 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (70714377)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生合成模倣的合成 / ヒドロホルミル化 / 分子内マンニッヒ / ピロリジジンアルカロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多様な骨格を合成するための戦略に基づいて、医薬品候補化合物として有用なコカアルカロイド(ピロリジン含有アルカロイド)の網羅的な合成を目的とする。すなわち、コカアルカロイドの生合成においてよく見られる分子内マンニッヒ反応を利用することによって、アミノアルデヒドから一挙に複数の環を構築する。従来法では調製に多段階の反応を要した不安定な出発原料のアミノアルデヒドは、アリルアミン類縁体のヒドロホルミル化によって合成することとした。 ジアリルアミンのBoc保護体、Fmoc保護体、ジメチルベンズヒドリル保護体をそれぞれ合成し、ヒドロホルミル化の条件検討を行った。溶媒としてアミド系溶媒(NMP、DMF)、芳香族炭化水素溶媒(クロロベンゼン、トルエン、キシレン)、エーテル系溶媒(アニソール)を検討したところ、トルエンやDMFを用いた際に良好な収率で目的物が得られた。さらに触媒配位子の最適化を行ったところ、キサントホスを用いた際に最も良好な収率(82%)で目的のジアルデヒドが得られた。 合成したジアルデヒドの分子内マンニッヒ反応を検討した。分子内マンニッヒ反応の促進を指向して種々の有機分子触媒を検討したところ、プロリンを用いた際に目的とするピロリジジンアルデヒドが中程度の収率で得られた。本反応は生合成模倣的にピロリジジンアルデヒドを合成した世界初の例である。得られたアルデヒドを還元して過去に合成報告のあるアルコールに変換したところ、スペクトルデータは過去の報告と良い一致を示した。
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