2021 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between blood concentration of ibrutinib and fungal infection
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20K16095
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
安 武夫 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (30866950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イブルチニブ / 治療薬物モニタリング / 真菌感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
イブルチニブはB細胞性造血器悪性腫瘍の高齢者に使用されるBruton’s tyrosine kinase(Btk)を不可逆的に阻害する経口分子標的薬である。高齢化が加速する日本において、イブルチニブによる治療を受ける患者が増加すると考えられる。イブルチニブによる細胞性免疫の低下が、重篤な転帰に至る肺アスペルギルス症などの侵襲性真菌感染症を誘発することが報告されている。しかしながら、イブルチニブ血中濃度と真菌感染症の関連を明らかにした報告はない。 本研究の目的は、イブルチニブ使用症例における真菌感染症のリスク因子を探索し、イブルチニブ血中濃度と真菌感染症の関連を明らかにすることである。国内において、イブルチニブが適応となる慢性リンパ性白血病の症例が少ないため、医療ビックデータを用いてリスク因子を探索している。 令和3年度では、医療ビックデータを用いて、イブルチニブの適応症である慢性リンパ性白血病症例の日本における真菌感染症の発症率を明らかにした。慢性リンパ性白血病は病勢進行が緩やかなため、発症初期に抗悪性腫瘍薬を使用せずに経過を観察するが、その期間における真菌感染症の発症率も評価できた。 また、真菌感染症に使用するボリコナゾールの薬物動態を、カンジダに感染させたカイコを用いて評価した。カイコにおけるボリコナゾールの薬物動態がヒトに類似していること、さらに、カンジダ感染状況下において、ボリコナゾールの薬物動態がヒトと同様に変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、令和3年度に造血器腫瘍25万症例が含まれる医療ビックデータを用いて、イブルチニブの適応症である慢性リンパ性白血病症例における真菌感染症に関する解析を実施した。解析が終了し、学術論文に投稿中であり、研究は順調に進展している。 さらに、カンジダ真菌感染症カイコモデルを作成し、カンジダ真菌感染症における真菌治療薬ボリコナゾールの薬物動態の変化を明らかにし、学術論文として投稿し、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、造血器腫瘍25万症例が含まれる医療ビックデータを用いて、イブルチニブ使用症例における抗真菌薬の予防投与の必要性に関する検討を行う。また、これまでに確立したカンジダ真菌感染症カイコモデルを用いて、真菌感染症下におけるイブルチニブの薬物動態の変化を評価する。
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Causes of Carryover |
令和3年度においても、COVID-19の影響により、研究が予定よりも実施することが出来ず、消耗品の減少が少なかったために、消耗品の費用を次年度に繰り越すこととした。令和4年度では、これまで以上に実験を行うために、消耗品などを購入する予定である。
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Research Products
(1 results)