2021 Fiscal Year Research-status Report
細胞診検体から遺伝子点変異を視覚化し、細胞異型が生じるメカニズムを解明する
Project/Area Number |
20K16198
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松崎 生笛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60647428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞診 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞診検体を用いて、がん細胞の遺伝子点変異を細胞内(in situ)で視覚化する方法を開発し、形態学的変化を解析することを目指している。変異細胞に生じる形態学的変化をとらえることができれば、細胞診の正診率の向上のみならず、遺伝子検査に適正な検体か判断が容易になる可能性が高い。視覚化する方法は、以前から開発を続けているRolling Circle Amplification(RCA)法に特異性が優れた人工核酸を利用し、DNAにおける点変異を検出する。また、新たにmRNAを対象にBaseScope法を細胞診材料に応用し、細胞内で点変異を視覚化することを目指す。 2021年度は、細胞診材料から、DNAを抽出し、NGS法により変異を検出した。細胞診で通常使用される固定液の違い、細胞量や固定前の状態において、変異検出への影響を検討した。さらに、NGS法に検出された変異について、頻度などを吟味した。これにより、細胞内(in situ)で視覚化する際に、細胞量などのおおよその基準を設けることができた。 さらに、in situで検出する方法の一つの候補としてBasescope法を用いる予定だが、Basescope法より広く知られているRNAscopeを用いて、論文報告した。 今後は、臨床検体を用いて、点変異が検出できるかを検討する予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in situで検出する変異の候補を調べるために、細胞診材料からNGSを用いて得られた変異の頻度などを吟味した。 Basescopeより広く知られているRNAscopeを用いて手技を確認し、論文投稿を行い、掲載された。その後、Basescopeを用いて新たに条件設定を行っていたため、当初の予定よりやや遅れている。しかし、臨床材料における条件設定を検討を行い、おおよそ条件設定は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞診材料を用いて、in situで点変異を検出する方法の確立し、論文投稿を目指す。 Rolling Circle Amplification法に特異性が優れた人工核酸を利用する方法については、条件を検討し、in situでの検出を目指す。 BaseScopeを用いる方法については、細胞診材料を用いて、尿細胞診におけるFGFR3などの点変異の検出の検討を行う。
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