2020 Fiscal Year Research-status Report
急性骨髄性白血病に対するCLL-1特異的キメラ抗原受容体T細胞療法の改良
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20K16395
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
田代 晴子 帝京大学, 医学部, 講師 (50433884)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / CAR-T / CLL-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Chimeric antigen receptor (CAR)-T細胞療法、中でもCD19を標的としたCD19.CAR-T細胞療法はCD19陽性B細胞性腫瘍、特に急性リンパ性白血病に対して目覚ましい効果を示すことが証明されたが、急性骨髄性白血病(AML)に対するCAR-T細胞療法は確立していない。これまでにAMLに対する、造血幹細胞への毒性の少ない CAR-T細胞として, AMLの80-90%に発現しているC-type lectin like molecule-1 (CLL-1)を標的とした、 CLL-1.CAR-T細胞を開発しており、その効果の増強が本研究の目的である。Constitutive signaling from an engineered IL-7 receptor (C7R)を共発現することによって、CLL-1.CAR-T細胞の抗腫瘍効果を増強することを試みた。 レトロウイルスを用いたCLL-1.CAR-T細胞とC7Rの遺伝子導入は、それぞれのコンストラクトを別々、あるいは同時に遺伝子導入することなどを試したが、最終的に同時に遺伝子導入した場合が最も導入効率が良かったが、それでも共発現率25-45%程度であり、またドナーによる差異がみられた。 CLL-1.CAR/C7R-T細胞は、サイトカインを加えない状態で、リン酸化STAT5を持続的に発現することを、リン酸化フローサイトメトリーにて確認することができた。サイトカインを添加しない状況で長期培養を行ったとき、CLL-1.CAR-T細胞はDay 30には死滅したが、CLL-1.CAR/C7R-T細胞は優位に長期間培養された。CLL-1.CAR-T細胞とCLL-1.CAR/C7R-T細胞をそれぞれCLL-1陽性細胞株であるHL60と共培養した際、CLL-1.CAR/C7R-T細胞はより長期間抗腫瘍効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19対応のため十分な研究の時間が確保できなかった。また、in vivoで使用を予定していたHL60-fflucをFfluc-puroレンチウイルスを用いて作成を試みたが、HL60 が極めて低濃度のPuromycinでも死滅してしまいうまくいかず時間を費やしてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでの抗腫瘍効果の増強を確認するためのNSGマウスを用いた実験を行う。また、共発現率を上昇させるため、1つのベクターに2つのコンスラクトを挿入した、CLL-1.BBz-2A-dCD34.C7Rを現在作成しているところである。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックのため、国際学会への参加がなくなったことで旅費は使用しなかった。また、臨床でCOVID-19対応をする必要があったことなどで十分な研究時間が確保できず、in vivoの実験まで進められなかった。
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