2020 Fiscal Year Research-status Report
質量分析によるビタミンD関連マーカーの高精度分析およびGC遺伝子多型との関連解析
Project/Area Number |
20K16513
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石毛 崇之 千葉大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30757315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ビタミンD代謝物 / ビタミンD結合蛋白質 / GC遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンDは骨代謝や免疫調節に関連した様々な作用を持ち、その不足は乳幼児の骨疾患だけでなく、成人の免疫性疾患、悪性腫瘍などのリスクとも関連するため、その代謝物の精確な定量が必要である。ビタミンD代謝物は血液中ではビタミンD結合蛋白質に結合して循環しており、ビタミンD代謝物の濃度を決定する重要な因子である。本研究では、精確な定量の為に質量分析を用いたビタミンD代謝関連マーカー[25(OH)D、24,25(OH)2D、1,25(OH)2D、およびビタミンD結合蛋白質(DBP)]の解析法を構築することを目的とする。加えて、ビタミンD代謝物のキャリア蛋白質であるDBP (GC遺伝子)には遺伝子多型が存在する為、GC遺伝子多型がビタミンD代謝関連マーカーの血中循環量にどのように影響するのかを明らかにし、包括的なビタミンD代謝動態の把握を目指す。LC/MS/MSを用いた血清DBPの定量分析法を構築するために、今年度はELISAによる健常者血清のDBP濃度の定量を行なった。ELISAによる定量の目的は、①GC遺伝子多型の影響を受けることを確認する、②おおよその濃度分布を知る、ことである。結果として、モノクローナル抗体を用いたELISAキットではGC遺伝子多型によって血清濃度が大きく異なることが確認された。また、おおよその濃度としては34.1 ug/mL~532.2 ug/mLであることを確認した。LC/MS/MSの定量分析法の構築について、作成したトランジションリストの検証を行い、いくつかのペプチドについて良好に検出できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画ではLC/MS/MSを用いた血清DBPの定量分析法を構築する予定であった。そのために、ELISAによる健常者血清中のDBP濃度の測定を行うと共に、LC/MS/MSによる候補ペプチドの検出を試みた。健常者血清中のDBP濃度のおおよその分布幅がわかった為、LC/MS/MSで目指すべき感度やダイナミックレンジを明らかにすることができた。また、LC/MS/MSによる候補ペプチドの検出もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
LC/MS/MSを用いた血清DBPの定量分析法の構築に必要な標準物質の作製を行なっていく。それを用いて、トリプシン消化の効率や直線性、検出感度を解析していく予定である。測定系が構築でき次第、保存してある健常者血清を用いてDBPの定量を行なう。
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Research Products
(7 results)