2021 Fiscal Year Research-status Report
ノドパチー型CIDPの中枢神経・腎臓病変の解析に基づく神経障害機構の解明と治療
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20K16602
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 英紀 九州大学, 大学病院, 助教 (90778838)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | neurofascin 155 / contactin 1 / IgG4 / CIDP / 視覚路 / ランビエ絞輪部 / autoimmune nodopathy |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は引き続き症例の蓄積を行い、研究班全体でIgG4抗NF155抗体陽性症例は130例を超え、IgG4抗CNTN1抗体陽性例は12名に至った。 IgG4抗CNTN1抗体陽性例12名のうち、7例にネフローゼ症候群・顕性タンパク尿を認めた。脱髄性末梢神経障害に蛋白尿を合併した場合は、抗CNTN1抗体の測定が強く勧められる結果であった。 更に、私たちはIgG4抗CNTN1抗体陽性が判明した胸腺腫合併ニューロパチーを3例経験した。症例1は再発性の胸腺腫を有する60歳男性。足底の異常感覚で発症、その後、深部知覚障害、脱力が進行し歩行困難となった。神経伝導検査(NCS)で明確な伝導遅延を認めた。再発を経て、IVIG維持投与中に臨床症状、NCS所見共に改善した。症例2は75歳男性。四肢の異常感覚で発症。胸腺腫を認め、胸腺摘出術を施行されたが、その後急速に四肢遠位筋筋力低下、感覚失調が進行し、歩行困難となった。NCSで伝導遅延を認めた。単純血漿交換、IVMP、PSL内服を行った結果、抗CNTN1抗体価は陰転化し、神経症状も改善した。症例3は57歳の男性で四肢異常感覚と歩行障害が進行。NCSでは遠位潜時とF波潜時が延長していた。CTで胸腺腫を認めた。2度のIVIGは効果に乏しく胸腺腫摘除術後も症状は遷延したが、PSL内服の結果、症状はほぼ消失した。3例中2症例で複数の自己抗体が陽性であった。 抗CNTN1抗体陽性ニューロパチーは胸腺腫に伴う多彩な免疫異常を背景に発症し得ることが示唆された。全例で免疫治療が有効であったため、胸腺腫に合併した脱髄性ニューロパチー症例では抗CNTN1抗体の測定を考慮するとともに積極的な治療介入が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗CNTN1抗体陽性CIDPにおいては、症例数も増加し、抗NF155抗体陽性症例との比較も可能な状態と考える。引き続き、陽性症例の同定を進めその特徴を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
IgG4抗NF155抗体陽性症例、IgG4抗CNTN1抗体陽性症例の体内に存在する抗原特異的B細胞を同定し、評価することが出来れば病態解明の一助になると考えている。今後はその視点での研究も進めて行きたいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Prevalence and characterization of anti-contactin-1 antibody-positive chronic inflammatory demyelinating2021
Author(s)
Hidenori Ogata, Xu Zhang, Norihisa Maeda, Kei-ichiro Takase, Shihoko Misawa, Yasutaka Iwanaga, Nobuyuki Oka, Kenichi Kaida, Jun-ichi Kira, Ryo Yamasaki, Noriko Isobe
Organizer
第62回日本神経学会学術集会
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