2021 Fiscal Year Research-status Report
MEGを用いた統合失調症、自閉スペクトラム症の多感覚統合異常の検討
Project/Area Number |
20K16624
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉山 俊介 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60755776)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳磁図 / オシレーション / 聴性定常反応 / 統合失調症 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症と自閉スペクトラム症の患者を対象として、MEGを用いて多感覚統合の異常を検討することとしていたが、コロナ禍によりMEGを有する施設(中部療護センター)の利用が引き続き制限され、今年度も患者のリクルートが当初の計画通り進まなかった。 そのため、生理学研究所のMEGを用いて、健常者を対象とした神経生理的研究を中心に研究活動を進めた。特に、オシレーションのメカニズムに興味を持ち、実験を行った。オシレーションは錐体細胞と抑制性介在細胞の興奮/抑制リズムによって形成されると考えられており、統合失調症や自閉スペクトラム症においても異常が認められている。申請者らは、ヒトにおいて、40Hzオシレーションが活性化されている間、β帯域(20~30 Hz)オシレーションが抑制されることを初めて発見した。この研究は、2021年10月、国際誌であるCerebral Cortexに掲載された(DOI: 10.1093/cercor/bhab381)。 現在は、オシレーションのハーモニクスに関わる研究を行い、実験、解析を終え、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、患者を対象として、他施設(中部療護センター)でのMEG実験を行う予定であったが、コロナ禍による施設利用の制限等によりリクルートが困難な状況が続いてしまっている。しかしながら、本研究課題に関わる聴性定常反応を用いて、オシレーションの基礎研究を並行して行い、着実に成果を上げることもできているため、全体の研究活動としては、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究についてはコロナ禍が続いているため、現在でも未だ進捗の目途が立っていないが、基礎研究は順調に進んでいる。状況を見ながら両者とも進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による患者のリクルートの遅れによって、臨床研究での使用額が少なかったため、繰り越しをさせていただきました。
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