2020 Fiscal Year Research-status Report
日中の眠気の新規客観的評価・鑑別法の確立―脳波の聴覚情報処理反応の応用
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20K16643
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高木 俊輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80806381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠 / 眠気 / 聴覚刺激課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚定常反応(ASSR)のためのPC、インサートイヤホンを購入した。また、psychopyと呼ばれるpythonベースの心理課題提示ソフトに習熟し、課題作成を行えるようにした。さらに、psychopyではserialポート経由でトリガーが出力できることを確認した。このpsychopyを用いて、聴覚刺激課題の作成を九州大学精神科の協力のもと行った。また、課題作成及び音量調節と時間を同期した解析のための脳波計へのトリガー入力の技術を確立し、装置を組み上げて実験に導入可能な状態とした。これに加えて、MSLTに使用しているphilips社製ポリソムノグラフィー装置へのトリガー入力が可能であることを確認した。 さらに、日中の眠気をきたす疾患(ナルコレプシーおよび特発性過眠症)に対する反復睡眠潜時試験(MSLT)を多く行なっている小石川東京病院と共同研究を行うこととした。これにより、聴覚定常反応実験を行う対象数を増やす計画が可能となった。小石川東京病院でも共同研究及び聴覚刺激についての倫理審査を通過し、実施可能な状態となっている。 また、小石川東京病院に導入する聴覚刺激装置についても購入し、課題設定、音量調節等を済ませ、導入可能状態とした。小石川東京病院で使用するMSLTのためのポリソムノグラフィー装置機器もphillips社の同機種であることを確認済みである。 症例蓄積に必要な条件は全て整い、症例の蓄積を開始した。5月に第1症例の実験を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス蔓延により、コミュニケーションコストの上昇、教育機会の喪失があり、そのためASSR導入のために九州大学精神科の指導を仰ぐ機会が大きく失われた。さらに研究体制の再構築が求められ、それに対応する必要があった。 また、同様の理由により一時的に病棟を閉鎖したり新患受け入れを停止したりした。そのため患者数が減少し、MSLTを受ける患者を十分に確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は小石川東京病院での症例の蓄積も加えて、スムーズに目標症例数が達成できるようにする。緊急事態宣言中、MSLTの施行を控えていた症例たちが、徐々にMSLTの施行を受け入れるようになっているので、それらの症例をスムーズにインクルードしていく
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延により、機器の準備は行えたが、移動が制限されたため研究の打ち合わせや情報の収集を行うことができなかった。そのため、旅費等の支出が大幅に少なかった。また、研究の遂行に遅れが生じたことも予算消化の遅れにつながっている。 今後は研究をより早く推進していく計画であり予算も消化されると考える
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