2022 Fiscal Year Annual Research Report
光療法が気分障害患者の脳に及ぼす効果:多角的な脳画像解析
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20K16651
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平川 博文 大分大学, 医学部, 講師 (60793768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高照度光療法 / 脳画像研究 / うつ病 / 双極性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
4週間の光照射(高照度群<Bright light group; BL群>:10,000 lux、30分間, 低照度群<Dim light group; DL群>:50 lux、30分間)が気分障害患者の海馬歯状回に及ぼす影響を精査した。24例の気分障害患者(BL群:12例、DL群12例)が無作為に割り付けられた。光照射前後でMRIを撮像した。海馬歯状回体積はFreeSurferを用いて算出した。精神状態の評価には、Hamilton Depression Rating Scale(HAM-D)、Beck Depression Inventory(BDI)、Young Mania Rating Scale(YMRS)、気分のVisual analog scale(VAS)を用いた。群間要因も考慮した前後変化(群×時間の交互作用)については、分割プロットデザインの二元配置分散分析を行った。群間内の前後変化に関しては、対応のあるt検定を行った。解析にはSPSSver27を使用した。左海馬歯状回頭部と左海馬歯状回において群間・前後で有意な交互作用を認めた。さらに、BL群において、光照射後は光照射前と比較し、左海馬歯状回頭部・左海馬歯状回の体積が有意に増加していた。DL群では照射前後で海馬歯状回の体積変化は認めなかった。BL群において、HAM-D、BDI、気分のVASは有意に改善した。さらに、BL群においては、左海馬歯状回の体積変化率と気分のVASの変化率が有意な正の相関を認めた。このように、神経新生と抗うつ効果の関連を示唆する所見を得ることが出来、高照度光療法によって左海馬歯状回の体積を増大させることが、うつ病を改善させる作用機序である可能性がある(Hirakawa et al, in submission)。
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Research Products
(1 results)