2020 Fiscal Year Research-status Report
Automatic treatment planning based on patient-specific dose distribution using deep learning
Project/Area Number |
20K16742
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小池 優平 関西医科大学, 医学部, 助教 (90866154)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / 人工知能 / 放射線治療 / 医学物理 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、深層学習を用いて患者個々の解剖学的情報に基づいて放射線治療における線量分布の推定を行うことで、高速かつ高精度な自動放射線治療計画法の開発を目的としている。 臓器の位置は日々変動する。前立腺癌では蓄尿量やガス、便の状態により前立腺の位置は大きく変わる。また頭頸部癌では日々の照射により、腫瘍が縮むことも臨床現場では多く見受けられる。一方で、放射線治療では治療開始前のCT画像をもとに立案された治療計画が最後まで用いられることが多く、臓器の位置変化・体型変化には対応できていないケースがある。変化に応じて適宜治療計画を変更する適応放射線治療計画という概念もあるが、強度変調放射線治療といった複雑な治療計画には時間がかかり、治療計画にかかる時間・その精度は重要な要素である。 本研究では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて、患者固有の解剖学的情報として、CT画像および臓器の位置情報(輪郭データ)から線量分布の予測を行う。初年度は深層学習の要となるデータの収集・クレンジングを主に行った。対象症例としては、当初の計画通り前立腺癌および頭頸部癌としているが、まずは解剖学的構造・線量分布が比較的複雑ではない前立腺癌を中心に進めてきた。前立腺癌症例を150症例抽出し、データにばらつきを抑えるため輪郭データの修正を行った。またCT画像・輪郭データに基づき、患者ごとに教師データとなる線量分布を作成するため、全例で再治療計画を行った。処方線量として寡分割放射線治療となる60 Gy/20 frを用い、回転型強度変調放射線治療(VMAT)によって治療計画を立案した。治療計画装置から該当症例のCT画像、輪郭データ、線量分布を抽出し、深層学習で読み込める形式で出力し、前立腺癌症例のデータの収集が完了した。頭頸部癌症例の収集および候補となるCNNモデルの選定を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では深層学習を用いて線量分布の推定を行う。一般的に、深層学習ではビッグデータと呼ばれるような膨大なデータが必要とされる。また深層学習の精度はそのデータの質に左右されるため、データの準備・クレンジングを行った。まずは前立腺癌150症例のCT画像収集し、臓器の輪郭情報の修正を行った。修正された臓器に基づき、VMATの治療計画を立案し、線量制約を満たすよう全例で線量分布を作成した。 現在、頭頸部癌症例の収集、CNNを使用したモデルの検討を行っており、当初の研究計画は概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したCT画像・臓器輪郭データ(入力データ)および3次元線量分布(教師データ)を用いて、深層学習を行う。まず小規模データセットを用いて候補のCNNモデルを絞り、その後モデルのハイパーパラメータの調整を行うことでモデルの最適化を行う。評価としては、予測と教師データ間で線量体積ヒストグラムやガンマ解析を用いて解析を行う。前立腺癌症例のデータの解析が終わり次第、学会・学術論文等で研究成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型感染症の影響で学会等への参加が制限されてしまい、次年度使用額が生じた。2021年度は論文投稿用として、投稿料やオープンアクセス費用、英文校正費用に充て研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)