2022 Fiscal Year Research-status Report
IKZFファミリーの協調的な転写制御の異常によるリンパ球分化障害の病態解明
Project/Area Number |
20K16884
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山下 基 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (70869122)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AIOLOS異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
IKZFファミリー転写因子は血球分化を司り、IKZFファミリーに属するIKAROSの生殖細胞系列のバリアントが先天性免疫異常症を起こすことが知られていた。我々はB細胞欠損症の新規原因遺伝子として、IKAROSのホモログであるAIOLOSの生殖細胞系列のミスセンスバリアントを同定した。AIOLOS異常症の分子病態はAIOLOSの機能障害だけでなく、変異AIOLOSはIKAROSとヘテロ二量体を形成することで、IKAROSの機能を障害することによることを細胞株を用いたin vitro解析、患者変異ノックインマウスの解析により示した。 今年度は、樹立したAIOLOS、IKAROSダブルノックアウト細胞にペプチドタグ標識した野生型AIOLOS、我々の同定したAIOLOS異常症の原因バリアント、DNA結合を担う4つのzinc finger (ZF)のうち、2番めと3番めのZFを欠失する変異体およびIKAROSをレトロウイルスを用いて遺伝子導入し、遺伝子導入したAIOLOSやIKAROSの発現やヘテロ二量体形成を評価した。また、ヒト免疫異常症に同定された生殖細胞系列のAIOLOSバリアントの機能解析をDNA結合能(EMSA)や細胞内局在アッセイを用いて行った。AIOLOS異常症に関連する総説を執筆した。 今後はヒト免疫異常症に同定された生殖細胞系列のAIOLOSバリアントの機能解析を進め、他のAIOLOS異常症の変異ノックインマウスや先天性免疫異常症の原因となる他のIKZFファミリーの変異についてもノックインマウスの作成と免疫学的解析も引き続き検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、樹立したAIOLOS、IKAROSダブルノックアウト細胞にペプチドタグ標識した野生型AIOLOS、我々の同定したAIOLOS異常症の原因バリアント、DNA結合を担う4つのzinc finger (ZF)のうち、2番めと3番めのZFを欠失する変異体およびIKAROSをレトロウイルスを用いて遺伝子導入し、遺伝子導入したAIOLOSやIKAROSの発現やヘテロ二量体形成を評価した。また、ヒト免疫異常症に同定された生殖細胞系列のAIOLOSバリアントの機能解析をDNA結合能(EMSA)や細胞内局在アッセイを用いて行った。AIOLOS異常症に関連する総説を執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒト免疫異常症に同定された生殖細胞系列のAIOLOSバリアントの機能解析を進め、他のAIOLOS異常症の変異ノックインマウスや先天性免疫異常症の原因となる他のIKZFファミリーの変異についてもノックインマウスの作成と免疫学的解析も引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
ChIP-seq解析などの次世代シークエンサーを用いた解析を次年度に繰り越したため次年度使用額が生じた。
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