2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌organoidを用いた進行度特異的な遺伝子解析および診断マーカーの探索研究
Project/Area Number |
20K16950
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
角田 道彦 山形大学, 医学部, 客員研究員 (30838420)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】当院で膵癌に対し超音波内視鏡下吸引生検(EUS-FNA)を行った症例の生検検体、並びに膵切除症例の正常膵組織を用いてオルガノイド培養を行った。継代早期および後期のオルガノイドと、由来組織のホルマリン固定標本からDNAを抽出した。また、由来症例の血液検体とオルガノイド培地からcell-free DNA抽出を行い、各検体を用いて次世代シークエンサーにより遺伝子変異解析を行った。また、オルガノイドに塩酸ゲムシタビンを投与しcell viability評価を行った。 【結果】Comprehensive cancer gene panel を用いて遺伝子変異解析を行い、膵癌オルガノイドはFFPE検体と高いvatiantの一致率を示し(Simpson score 0.73~0.90)、同様に継代早期・後期の膵癌オルガノイドのvatiantは維持された(Simpson score 0.86~0.92)。一方、血清中のcell-freeDNAについては膵癌オルガノイド3検体ともに確認されたKRAS変異は認められなかった。オルガノイド培地中のcell-freeDNAはオルガノイドと一致したvariantを有するものの、培地中cell-free DNAにのみに発現する固有のvariantを認めた。オルガノイドを用いたcell viabiity評価による薬剤感受性テストは安定的に可能である。 【結論】EUS-FNA検体由来膵癌オルガノイドは遺伝学的再現性が高く、継代を重ねても安定的に保持され、遺伝子解析検体として適切であり、薬剤感受性評価も可能である。一方で培地中cell-freeDNAは固有のvariantを有し、オルガノイドの情報をそのまま反映したものではなく、臨床検体として応用する場合は留意する必要がある。
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