2020 Fiscal Year Research-status Report
Leveraging Polygenic Risk Score for Elucidating Novel Disease Mechanisms in Hypertrophic Cardiomyopathy
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20K17110
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野村 章洋 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30707542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 多遺伝子リスクスコア |
Outline of Annual Research Achievements |
肥大型心筋症は若年者突然死の原因として最も頻度が高い心疾患であり、主に常染色体優性遺伝形式をとる。家族性肥大型心筋症患者の約50%においては既知の肥大型心筋症関連遺伝子に単一原因遺伝子変異が同定される。しかし残りの50%の患者の原因遺伝子変異あるいは疾患発症機序は未だ不明である。 本研究の目的は、これまで原因遺伝子変異が既知遺伝子内に認められなかった肥大型心筋症患者に対し、心室中隔壁厚(IVS)に基づいた多遺伝子リスクスコアを用いることで、単一遺伝子変異ではなく、多遺伝子が相補的に作用することではじめて肥大型心筋症が発症するという新たな疾患発症メカニズム(Polygenic HCM)の存在を解明し、その臨床的特徴を検討することである。 初年度(2020年度)の実績として、金沢大学におけるメンデル遺伝病レポジトリのうち、肥大型心筋症と診断がなされ遺伝学的検査を行うためにDNAの抽出が既に行われている約650名を研究対象患者候補とした。研究対象候補者については、これまでの遺伝学的検査に関する研究において当研究室に既にDNAが保管されており、本研究ではご同意をいただいた方を対象にこのDNAを二次利用する。また研究対象候補約650名のうち、約300名については心臓エコー検査を含む詳細な患者背景の整理が完了しており、残りの研究対象候補についても患者背景の整理をすすめる。本年度(2021年度)は、残りの約300名に関する詳細な患者背景の整理をすすめるとともに、保存されているDNA検体についてはイルミナ社のAsian Screening Array等を用いたSNP解析を行い、個々人の心エコー検査における心室中隔壁厚に対する多遺伝子リスクスコアを算出し、多遺伝子が関与する肥大型心筋症の発症の可能性を引き続き検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年初来からのCOVID-19のパンデミックにより、特に2020年度の上半期は研究そのものが大学で制限され、継続的な研究に従事する環境が整わず、研究者自身も医師のためCOVID-19対策チームとして臨床現場に派遣され、感染者の治療にあたっていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2021年度)は、残りの約300名に関する詳細な患者背景の整理をすすめるとともに、保存されているDNA検体についてはイルミナ社のAsian Screening Arrayを用いたSNP解析を行い、個々人の心エコー検査における心室中隔壁厚に対する多遺伝子リスクスコアを算出し、多遺伝子が関与する肥大型心筋症の発症の可能性を引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
初年度の使用額ではDNA検査費用を一度に全て賄うことができなかったまえ、次年度の費用と合算して一度にDNA検査を捻出するため。
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