2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K17511
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駒田 久子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60774180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メトホルミン / FDG-PET/MRI / 消化管 / 数理モデル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【新規FDG- PET/MRI撮像法の開発】全腸管の一定容積中の放射活性の定量を可能とする ことを目的に、腸管内腔と腸管壁を明瞭に区別できるMRI撮像法(MRE: MR Enterorrhaphy)とFDG-PETの融合画像であるFDG- PET/ MREを開発し、2型糖尿病患者でメトホルミン非服用者5名(コントロール群)と服用群(メトホルミン群)5名に検査を実施した。参加者は全員が男性であり、両群間で年齢、BMI、糖尿病罹病期間、HbA1c値、検査前空腹時血糖値に有意差はなかった。メトホルミン群のメトホルミン服用量は1400.0±223.6 mg/日であった。メトホルミン群は前日の夕方まで服用を継続し、全員、一晩絶食の状態で撮像を行った。 【消化管内腔へのFDGの集積】コントロール群においても腸管内腔へ一定程度のFDG排泄が認められた。くわえて、メトホルミン群ではその排泄量が約3倍増加することを明らかにした。 【数理モデルを用いたグルコース排泄量の定量法】得られた放射活性データから、血管内コンパートメントから消化管内コンパートメントへ、FDGとグルコースは同じ速度規定係数で移動すると仮定し、two compartment modelでグルコース排泄量を定量化した。 【消化管内へのグルコース排泄速度の定量】コントロール群において6.9±2.6 mg/min(1時間あたり約0.41g)、メトホルミン群においては26.1±6.5 mg/min (1時間あたり約1.56g) のグルコースが消化管内腔に排泄されることが明らかとなった。 【考察】後ろ向き半定量的解析で同定した「メトホルミンによる腸管内へのグルコース排泄増強効果」をPET/MREで確認できた。コントロール群においても消化管内腔に一定量の排泄があり、メトホルミンはその効果を約3倍に増強することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)