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2021 Fiscal Year Research-status Report

唾液メタボローム解析に基づいた膵癌早期発見を目指した簡易測定キットの開発

Research Project

Project/Area Number 20K17703
Research InstitutionTokyo Medical University

Principal Investigator

富田 晃一  東京医科大学, 医学部, 助教 (10647267)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsメタボローム / 膵癌 / 唾液
Outline of Annual Research Achievements

申請者と研究協力者らはメタボローム解析により膵癌の特徴的な代謝変化を捉える研究を進めてきた。メタボローム解析は、血液・尿・唾液をサンプルにすることができるため簡便に何度でも採取でき、また低価格化も可能である。血液・尿・唾液などのうち、唾液中にはポリアミン類をはじめとした代謝物質の変化が生じることを発見した。唾液は他の体液に比べて、低侵襲・低コストで・安全な収集ができ、医療機関でなくとも被験者が自分で採取できるため、高頻度な検査を行っても被験者の負担をかけない。この研究成果に基づき唾液のメタボローム解析による膵癌のスクリーニング検査の開発を進めてきた。その結果、実際に膵癌患者の唾液検体を用いてメタボローム解析により膵癌に特徴的な代謝産物の特定を行ったところ、測定された約500の代謝産物から健常者と比較して膵癌に特徴的な代謝産物を幾つか抽出する事ができた。

2020年から2021年にかけて、これら代謝物質のポリアミンを標的として、モノクロナール抗体を作成した。また作成したモノクローナル抗体を用いて、イムノクロマトアッセイによる簡易測定キットを作成する事に成功した。この作成した簡易測定キットについてはまだ論文報告や市販はしておらず、試験的に作成した段階である。今後、臨床現場で実際の膵癌患者に使用してみて臨床評価を得る必要がある。現在、申請者の所属施設および研究協力者の所属施設で患者への使用準備を進めている最中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、後述の4点を到達目標としている。1. 唾液メタボローム解析の結果から得られた膵癌のポリアミン候補のうち、早期診断に繋がり、かつモノクローナル抗体が作製可能な標的ポリアミンを決定する。2. 標的ポリアミンのモノクローナル抗体を作製する。3. 作製されたモノクローナル抗体を用いて、簡易測定キットを開発する。4. 開発した簡易測定キットを用いて、実際の膵癌患者での臨床評価を行う。このうち、1-3については2021年度までに達成した。一方で4については2021年度までに達成する事ができず、研究期間の延長を申請して現在準備を進めているところである。

Strategy for Future Research Activity

現在、実際の臨床現場で患者を対象に試験作成した簡易測定キットを使用すべく、学内倫理委員会に申請中である。承認を得るまでに時間を要しているが、承認が得られ次第運用を開始する予定である。ある程度の検体数を収集した後にデータを集積して解析し、簡易測定キットで担癌状態の診断がどの程度可能か検証を行う。必要に応じてキットの改修を行い、精度をより高める。研究終了時にはデータをまとめ、学会発表や一流英文雑誌への投稿を行う予定である。

Causes of Carryover

現在、開発した測定キットを用いて実臨床患者で運用する準備をおこなっている。その際に、測定キットの反応結果を定量化するためにイムノクロマトリーダーや付随した物品が必要であるが、現在患者への運用について倫理委員会の承認を待っている状態のため、イムノクロマトリーダーの購入を待機している。次年度は主にこれらの購入に研究費を充てる予定である。

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Published: 2022-12-28  

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