2022 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤性膵管癌のがん周囲微小環境-特に神経・退形成性変化-の役割の解明
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20K17704
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
岩崎 寿光 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 助教 (10801962)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ADAM28 / 膵癌微小環境とMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
浸潤性膵管癌組織中の膵癌細胞における発現を確認したADAM28 (a disintegrin and metalloproteinase 28) 分子に着目した。PDAC外科切除検体を用いた解析では,同分子と膵癌細胞の分化度に関連(:低分化型ほどADAM28の発現が強い)が認められた。 ADAM28の発現が確認されたヒト膵癌細胞株:Panc-1, T3M4を用いて、同分子の膵癌発育への関与を、抗ADAM28抗体を用いたin-vitroアッセイで評価した。いずれの細胞株においても、容量依存性に抗ADAM28抗体が膵癌細胞の増殖を抑制することが確認された。In-vivoでADAM28分子の関与を評価する目的で、免疫不全マウスにPanc-1, T3M4各々の細胞株を同所、あるいは皮下移植して生着を確認した。抗ADAM28抗体を用いて、膵癌の局所発育・転移へのADAM28の寄与を検討する予定である。
MRI拡散強調画像を用いて膵癌組織を定量的に評価し、腫瘍の臨床的振る舞い(局所進展向性、遠隔転移向性、化学療法への反応性)と比較対照した。 今後は根治的切除後の術後経過、化学療法への反応を含めた中長期予後データを集積し、解析を行う予定である。加えて、外科切除症例のMRI画像データと切除検体の病理組織学的所見(特に線維化について)とを比較検討し、MRIで、浸潤性膵管癌の病理組織、とりわけ病勢・予後に関連する組織像を捉えることが可能であるかについて探索を行う。
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