2020 Fiscal Year Research-status Report
Pancreatic Endothelial Disorder in Acute Pancreatitis
Project/Area Number |
20K17888
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安田 立 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (70869354)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 急性膵炎 / 血管内皮グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
急性膵炎は、、全身組織の血管内皮が障害され、遠隔臓器不全や汎血管内凝固症候群をきたし治療に難渋することが多くなる。しかし一方で、重症膵炎を生じても大部分の症例では膵の変化は可逆的で後遺障害を残さずに治癒するという特徴や、消化酵素を分泌する外分泌腺は早期から障害される一方でホルモンを分泌する内分泌腺は末期になるまでその構造が保持されるという特徴もある。この現象は、他の臓器と比較して、膵臓では障害された血管内皮がいち早く修復されている可能性や外分泌腺と内分泌腺の血管の構造が異なっている可能性などが考えられる。本研究では、まず正常状態の膵臓毛細血管内皮細胞の構造とそれを覆う血管内皮グリコカリックスの正常について超微形態学的に検討を行った。通常の電子顕微鏡サンプル作成時に硝酸ランタンを用いて電子染色を行いグリコカリックスを描出した。膵臓の内分泌腺の毛細血管は腎臓と同じく小孔をたくさん持つ有窓性毛細血管の形態をとる一方で外分泌腺の血管は連続型毛細血管の構造をとり血管内皮上に小孔を認めなかった。血管内グリコカリックスは内分泌腺、外分泌腺のどちらの血管でも認められ血管の表面を覆う形で存在していた。次にセルレイン誘発性膵炎を作成するために10週齢のオスのマウスにセルレイン50ug/kgのDoseで1時間ごとに6回腹腔内投与を2日続けて行った。マウスは14日まで観察したが死亡しなかった一方で、セルレイン投与36時間で炎症細胞の浸潤が認められ急性膵炎を呈していた。この時期の内分泌腺、外分泌腺ともに血管内皮グリコカリックスの障害が認められている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り正常状態の膵臓毛細血管内皮細胞の構造と内皮グリコカリックスの同定は終了し、膵炎下での外分泌腺部と内分泌腺部の膵毛細血管内皮血管内皮の状態の比較の検討を開始しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
膵炎下での膵毛細血管内皮と遠隔臓器の血管内皮の比較と治療の検討に加え、炎症を契機として活性化される好中球の急性膵炎における働きについて遺伝子改変動物等を用いて検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴い研究を一時的にストップしなければならなかったため。
|
Research Products
(6 results)
-
-
[Journal Article] Severe heat stroke complicated by multiple cerebral infarctions: a case report2021
Author(s)
Kamidani Ryo、Okada Hideshi、Kitagawa Yuichiro、Kusuzawa Keigo、Ichihashi Masahiro、Kakino Yoshinori、Oiwa Hideaki、Yasuda Ryu、Fukuta Tetsuya、Yoshiyama Naomasa、Miyake Takahito、Okamoto Haruka、Suzuki Kodai、Yamada Noriaki、Doi Tomoaki、Yoshida Takahiro、Ushikoshi Hiroaki、Kumada Keisuke、Yoshida Shozo、Ogura Shinji
-
Journal Title
Journal of Medical Case Reports
Volume: 15
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
[Journal Article] Ultrastructural alteration of pulmonary tissue underconditions of high oxygen concentration2020
Author(s)
Hirohisa Yano, Ayumi Kuroda, Hideshi Okada, Hiroyuki Tomita, Kodai Suzuki, Chihiro Takada.......Ryu Yasuda, Yuichiro Kitagawa, Tetsuya Fukuta , Takahito Miyake, Norihide Kanda, Nagisa Miyazaki, Tomoaki Doi, Takahiro Yoshida, Akio Suzuki, Shozo Yoshida, Shinji Ogura
-
Journal Title
The International Journal of Clinical and Experimental Pathology
Volume: 13
Pages: 3004-3012
Peer Reviewed / Open Access
-
-