2020 Fiscal Year Research-status Report
脂肪特異的Atg5KOマウスを用いた敗血症病態におけるオートファジーの機能解明
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20K17892
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10813975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 脂肪 / アディポサイトカイン / レジスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の3つに着目し実験をおこなう。1)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー機能の評価のため、脂肪特異的Atg5KOマウスにLPSを投与し、エネルギー基質の供給や熱産生などの代謝動態、アディポサイトカインを評価する。2)敗血症における脂肪細胞でオートファジーが機能するメカニズム解明のため、LPS投与後の脂肪特異的Atg5KOマウスの脂肪組織を用いて網羅的蛋白解析を行う。3)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー阻害メカニズム解明のため、LPSや炎症性サイトカインで脂肪細胞を刺激し、容量依存的にオートファジーが阻害されるかin vitro実験を行う。1)に関してAtg5KOマウスはLPS耐性があることがわかった。いくつかの炎症性サイトカイン、ケモカインの産生もAtg5KOマウスで低下していた。2)に関しては組織の評価ならびにLPS投与後の脂肪組織を対象にRNAseqをおこなった。3)に関しては3T3L1細胞を用いてオートファジーの阻害に関与している物質を同定したところ、TNF-αが脂肪細胞のオートファジーを阻害している可能性が明らかになった。 また敗血症病態における脂肪組織から産生されるサイトカイン(アディポサイトカイン)と炎症性のサイトカインの関連を明らかにするため、人敗血症患者の血清検体を用いて検討を行った。アディポサイトカインのうちレジスチンと向炎症性サイトカインであるIL-6、IL-8、抗炎症性サイトカインであるIL-10、ケモカインであるMCP-1は密接に関連し敗血症の病態に関与し、重症度や予後と関連していた(Ebihara, Takeshi, , et al. "Adipocytokine Profile Reveals Resistin Forming A Prognostic-Related Cytokine Network In The Acute Phase of Sepsis". SHOCK, vol. Publish Ahead of Print, February 17, 2021, doi: 10.1097/SHK.0000000000001756.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を行い、解析中であるから。
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Strategy for Future Research Activity |
LPS投与後の脂肪組織のRNAseq dataを解析し、侵襲病態における脂肪組織でのオートファジーの役割を解析する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染防止のため学会がオンライン開催となり、学会参加のための旅費が不要となったため。繰越金は2021年度の論文作成のための費用として使用予定です。
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Research Products
(2 results)