2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of anti-HMGB1 m Ab in intracerebral hemorrhage-induced brain injury in common marmoset and elucidation of HMGB1 translocation mechanism
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20K17930
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40815693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳出血 / HMGB1 / 抗体治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の研究計画では霊長類マーモセット脳出血モテルにおけるヒト化抗 HMGB1 抗体の効果の確認を目的とした。 マーモセットの右基底核にコラケナーゼIVを定位的に注入することで脳出血モデルを作成した。脳出血モデル作成後10分間にヒト化抗 HMGB1抗体を尾静脈から投与した。対照動物には、ヒトIgGを投与した。2時間、6時間、1日、2日、3日、6日、12日後に採血し、体重を測定した。神経学的評価は、経時的にgrip strengthテストを実施した。脳損傷に対する抗HMGB1 の効果を測定するために、脳出血後6、12 日後の CT 像を撮像し脳組織損傷範囲を評価した。12日後に脳を取り出しHE染色や免疫染色をした。その結果、抗HMGB1抗体の投与によって、血漿中HMGB1と酸化ストレスマーカーである4-HNEの有意に抑制を示した。出血後から12日間、対照動物の体重がずっと減少することが明瞭であったが、抗HMGB1抗体の投与によって3日間から回復し6日間で出血前の体重に戻った。grip strengthテストによる評価で、運動麻痺神経症状も、抗HMGB1抗体で高い改善効果を示した。また、脳出血12日C T像から見ると、抗HMGB1抗体の投与によって脳組織損傷範囲は減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上の結果より、マーモセット脳出血モデルの対するヒト化抗 HMGB1 抗体治療が脳損傷軽減に有効であることが示唆された。今後も予定している研究項目を滞りなく実施できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳出血後各グループの血漿中のサイトカイン(IL-1, IL-6, Il-8, Il-10,TNFなど)を促進されるか抑えられるかについて検討する。免疫染色で脳内血腫吸収に関するタンパク(Haptoglobin、Hemopexin、CD163, CD91)とHMGB1の関連性を調べる。抗HMGB1抗体は脳内の細胞死(apoptosis, ferroptosis, necrosis)を抑制するかについて検討する。また、in vitroの実験で、ミクログリアの培養系を用意して、抗 HMGB1 抗体による治療後の血腫吸収メカニズムを検討する。
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Research Products
(6 results)