2020 Fiscal Year Research-status Report
Detection of bacteria in biofilms and drug-resistant bacteria using next-generation sequencer and nucleic acid amplification machine
Project/Area Number |
20K18045
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
植田 成実 関西医科大学, 医学部, 助教 (30632757)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオフィルム / LAMP法 / PCR / インプラント周囲感染・人工関節周囲感染 / NGS / 骨軟部組織感染症診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
【内容】細菌定量 PCR・OSNA法、LAMP法、培養法、NGSで検証した。標準菌株および保存臨床検体のうちインプラント周囲感染臨床分離株を中心に、薬剤耐性遺伝子の LAMPプライマー作成し、MRSA/MRCNS/MSSA/CNSを鑑別する目的で標準菌株および保存した臨床検体で検証を行った。プライマー作成方法は、DNA塩基配列データをNCBI GenBANKよりFASTA形式にて入手、菌種のDNA塩基配列を公開ソフトDDBJ (DNADATE Bank of Japan)、ClustalW (http://clustalw.ddbj.ni g.ac.jp/)にて多重整列し、 DNA塩基配列の相同箇所を調査し、 LAMPプライマーを設計した (PrimerExplorerV5 (栄研化学株式会社))。 【意義】 Ueda et al.JOA 2019より原因菌の 6- 9割を鑑別することは確実かつ迅速な診断、治療のために重要である。簡便かつ迅速に行う遺伝子検査法の確立が必要である。 【重要性】本研究から原因細菌が判明し診断確定した場合も、培養できない細菌の感受性試験はできないため経験的投与に限られる。そのため細菌種同定以外に、複数の薬剤耐性遺伝子の有無を調べ、抗菌薬選択して治療できるよう薬剤耐性遺伝子パネルの開発も同時に必要と考える. これまで無菌と考えられていた臓器にも細菌の存在が近年報告され、当科のNGSによる過去の検証からも、長期留置されたインプラントへの細菌の定着、共生の可能性が考えられ、真偽を確かめる方法の一つに、遺伝子定量評価が存在し、DNA量が多ければ検査精度が高く信頼できると考えた。 LAMP法は、PCRの一種で、感度が高く着目した。 今後、複数検体を迅速に30分以内に診断し、薬剤耐性遺伝子の有無も鑑別し、治療に反映させることを想定したプロトコールを構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症治療病院での検討であり、遺伝子検査の研究機器も新型コロナ感染症へ使用されており、使用できる時間が切迫されている。臨床しつつ検討を行っているため進展に大幅な遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが3月以後猛威を振るい、研究に費やす時間と場所の制限があり、臨床と同時におこなっているため、難しくなっている。今後、火曜日と木曜日の通常診療業務間に研究助手と協力しつつ研究を推進する。本年度の具体的な推進方策は、バイオフィルムモデルを細菌検査室で作成し、複数標準菌株・大腸菌より希釈系列を作成し定量 PCR (primer8F-338R使用)・ 培養法・NGSで検証する。LAMP法 (OSNA法)の精度検証を行い、 標準菌株・臨床分離株を用い、複数プライマーによる薬剤耐性遺伝子検出をする (MRSA/MRCNSを対象にMEC、SPA遺伝子などをターゲットに作成し、2-3種のプライマーを併用した検証を行う。3. 反応阻害の有無を判定するために非感染疾患(変形性股関節症・非感染インプラント)検体による定量PCR/OSNA法、NGSによる検出を行う。LAMPプライマー作成手順は、DNA塩基配列をNCBI GenBANKより入手し菌種DNA塩基配列をDDBJ (DNADATE Bank of Japan)、ClustalW(http://clustalw.ddbj.ni g.ac.jp/) にて多重整列し、プライマーを設計 (PrimerExplorerV5 (栄研化学株式会社))する
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Causes of Carryover |
残額は、試薬などの消耗品の購入ができなかったことによる。次世代シーケンスおよびLAMP法による耐性遺伝子プライマーによる研究は検査機器の試薬などが複数回分をまとめて購入する必要があるため、研究最初に必要物品をそろえておく必要性があったので前年度前払い請求に至っており、本年度は繰越金を含めて消耗品に主に使用する。
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