2020 Fiscal Year Research-status Report
肥満患者の滑膜組織で増加する肥満細胞の変形性膝関節症病態への関与
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20K18073
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高野 昇太郎 北里大学, 医学部, 助教 (10596505)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肥満細胞 / 炎症性サイトカイン / トリプターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は変形性膝関節症(KOA)の発症、進行の危険因子であることが示されているが、その機序は十分に理解されていない。近年我々は肥満KOA患者の滑膜組織でマスト細胞(MC)マーカーの発現が増加することを報告した。 MC産生酵素であるtryptaseは炎症に関与することが知れられていることから、tryptaseが肥満KOA患者の滑膜で増加し、滑膜の炎症に関与するとの仮説を立てた。本年度は、肥満KOA患者の滑膜組織におけるtryptaseの発現および滑膜細細胞に対するβ-tryptaseの作用を検討した。KOAと診断された患者をBMI(body mass index)に基づいて正常、過体重および肥満の3群に割り当てた。各群の滑膜におけるβ-tryptase遺伝子(TPSB2)の発現をReal time PCRを用いて比較検討した。また、単離したMC+分画)およびMC-分画のTPSB2およびIL1βの発現を検討した。また、培養CD14陽性(マクロファージ分画)およびCD14陰性(線維芽細胞分画)をrh-β-tryptase存在下で刺激後、IL-1βの発現を検討した。TPSB2発現は、正常群にくらべ過体重および肥満群で有意に高かった。 MC+分画におけるTPSB2、CD117およびCD203cはMC-分画と比較して有意に高かった。一方、IL-1bの発現MC-分画で有意に高かった。 rh-β-tryptase刺激により滑膜線維芽細胞とマクロファージ分画のIL1B発現が上昇した。肥満に伴い増加したMCはβ-tryptase産生、IL-1β発現上昇を介して滑膜組織の炎症に関与する可能性が示唆された。本メカニズムは肥満によるKOA発症・進行メカニズムの一端を担っているかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥満細胞による炎症惹起機構の一端を明らかにしており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満で増加する肥満細胞サブセット、肥満細胞動員機構を明らかにする予定である。
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