2021 Fiscal Year Research-status Report
PSMA標的ペプチド-MRI造影剤による前立腺癌特異的中性子捕捉療法の開発
Project/Area Number |
20K18106
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
久保田 優花 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (30866926)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRI / PSMA / 中性子捕捉療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺特異膜抗原(PSMA)リガンドと放射性同位元素68Gaを組み合わせたPSMA-PETによる前立腺癌転移、再発病変の高精度検出法の実用化、さらにβ線を放出する177Lu-PSMAリガンドによる内照射療法など、画像診断と治療を同時に実施可能なモダリティーが開発され、前立腺癌治療のパラダイムシフトが起きている。放射性同位元素に起因する被爆が問題であり、本研究では、さらに低被ばくかつ治療効果が高い前立腺癌特異的な画像診断+治療モダリティーとして新規PSMA結合ペプチドとガドリニウム造影剤による中性子捕捉療法の確立を目指す。令和2年度は、L7ペプチド-Gd錯体(L7-Gd)の合成および皮下腫瘍マウスモデルにおけるL7-Gd投与後のMRIによるモニタリングを実施し、L7-Gdが腫瘍組織に集積し、造影効果が認められることを確認した。また骨転移腫瘍モデルにおけるMRIモニタリングのための骨転移腫瘍マウスモデル構築を実施した。令和3年度は、前年度のMRI集積データを踏まえ、各腫瘍部位に充分にL7ペプチド-Gd錯体が集積したタイミングで中性子捕捉療法を実施する計画を立てていたが、中性子照射施設における遺伝子組み換え動物実験の施設整備が間に合わず中性子捕捉療法実験の実施ができなかった。また骨転移腫瘍モデルにおけるMRIモニタリングの検討についても骨転移腫瘍モデルの構築がまだできていない状況である。令和4年秋頃からの中性子照射施設にて、遺伝子組み換え動物モデルが使用可能となる見込みであるため、皮下腫瘍モデルでの検討を先行する予定である。これらの研究成果を今後日本、欧州、および米国の各泌尿器科学会で発表を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度実施予定であったL7ペプチド-Gd錯体による中性子捕捉療法の実施について、中性子照射施設における遺伝子組み換え動物実験の施設整備が間に合わず中性子捕捉療法実験の実施ができなかった。また骨転移腫瘍モデルにおけるMRIモニタリングの検討についても骨転移腫瘍モデルの構築がまだできていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年秋頃からの中性子照射施設にて、遺伝子組み換え動物モデルが使用可能となる見込みであるため、皮下腫瘍モデルでの検討を先行する予定である。MRIにおけるL7ペプチド-Gd錯体の組織集積性の検討結果を踏まえ、L7ペプチド-Gd錯体投与後、各腫瘍部位に充分にL7ペプチド-Gd錯体が集積したタイミングで中性子捕捉療法を実施する。皮下腫瘍、骨転移モデルにおけるL7ペプチド-Gd錯体投与後のマウスに対する中性子捕捉療法の抗腫瘍効果を検討する。
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