2022 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌放射線療法に伴うTCR改変と腫瘍内微小環境の解析と新規治療法の開発
Project/Area Number |
20K18213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 光代 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10833618)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / 放射線治療 / 予後予測モデル / T細胞免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
1-1:炎症マーカーや全身性免疫マーカーに基づく放射線療法患者の予後予測モデルの構築 欠損値がない211人のデータを用いて、Survival forestとCox hazardを用いてPFSとOSを予測した結果、PFSもOSもともにSurvival forestで予測精度が高いことが分かった。また、Survival forestデータより算出した各因子の予後予測に対する寄与度の計算では、PFSでもOSでも腫瘍径とSCC値と組織型とヘモグロビン値が最も予後予測に重要であることがわかった。炎症や免疫マーカーに着目すると、好中球が上位因子として抽出されていることが分かった。 1-2:放射線療法検体の病理学的検討 形質細胞浸潤の有無とOSとの関連を検討した結果、形質細胞浸潤の有無は子宮頸癌放射線療法患者のOSとは関連しなかった(p=0.165)。次に、形質細胞浸潤とリンパ球浸潤の関連を検討した結果、形質細胞浸潤はリンパ球浸潤と優位に相関した(カイ2乗検定:p=0.0018)。 2.子宮頸癌患者の放射線療法によるT細胞免疫応答の解析 合計12人の患者から同意取得を行い検体収集した。患者年齢の中央値は55.5歳(範囲:33―82歳)、Stage I:1人、Stage II:5人、Stage III:5人、Stage IVが1人であった。組織型の内訳は、扁平上皮癌が7人、腺癌が4人、腺扁平上皮癌が1人であった。HPVタイピングの結果HPV16型が5人で陽性であった。HLAタイピングを行ったところ、抗原特異的免疫応答が解析可能なHPV16型陽性でHLA*0201陽性の患者は1人のみであった。 今後、さらに症例の蓄積を行い、抗原特異的T細胞の解析を行う予定である。
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