2020 Fiscal Year Research-status Report
リキッドバイオプシーを用いた子宮内膜症進展・癌化の早期診断ツールの開発
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20K18220
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 神戸大学, 医学部附属病院, 医学研究員 (20866363)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラチナ製剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌の癌化のメカニズムを検討する上で、前段階として現在臨床的に問題となっている浸潤・転移、プラチナ製剤に対する耐性化に影響を与える因子と、その機能解析についての研究を行っている。プラチナ製剤感受性卵巣株であるA2780と耐性株であるA2780cisに関して検討を行ったところ、シスプラチン耐性株は感受性株に比して増殖能・浸潤能が上昇していることが、WST-8 assay, Transwell assay(Invasion)を行うことで確認した。ただしA2780細胞株での遺伝子ノックダウンに難渋しているため、現在他の細胞株であるOVK18でシスプラチン耐性株を作製中である。作製後はシスプラチン感受性株と耐性株をそれぞれRANsequence等の網羅的な解析を行い、白金製剤に対する耐性化獲得に影響を与える因子とその機能解析を行っていく予定としている。 また、癌基礎研究において細胞株の2D培養での欠点が以前から指摘されており、近年organoidなどの3D培養の有用性について多数報告されていることから、現在患者検体を用いたオルガノイド作製を行うために倫理委員会に申請中である。明細胞癌を含む多様な組織型の癌組織からオルガノイド作製法が確立すれば、現在行っている白金製剤耐性化のメカニズムの研究だけでなく、本研究のメインである内膜症からの癌化のメカニズムを検討する上でも有益になることが期待できるため現在の研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子ノックダウンやシスプラチン耐性株作製に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている研究を継続し、浸潤・転移、プラチナ製剤耐性化に影響を与える因子を同定と機能解析を行い、さらに癌化のメカニズムまで検討していく予定です。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画より進行が遅れており、また現在の社会情勢などの影響で物品が購入が困難であることや学会等の旅費がかからなかったため。
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