2023 Fiscal Year Research-status Report
発達期における不十分な味覚刺激が味覚伝導路形成に及ぼす影響
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20K18292
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
冨山 克俊 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30850888)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 味覚刺激 / 大脳皮質味覚野 / 領域イメージング / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究実績としては以下を行った。 1)発達期におけるマウスの領域イメージングを安定的に行うための実験系構築 発達期のマウスは成体に比べ体が非常に軽く頭蓋の容積も小さい。同マウスで繰り返しイメージングを行うために、発達期専用のチャンバーを自作した。成体ではある程度重く大きなチャンバープレートを使用するが、発達期の仔マウスでは専用プレートが大きすぎると歩くことが難しくなる、あるいは母マウスが食殺するなどの行動がみられた。そこで、注射針のような直径約0.5mm程度のバーをマウスの頭蓋に生体用接着剤で取り付け、専用固定器で揺れを防ぐために固定することで経時的なイメージングを可能とした。 2)発達期において大脳皮質味覚野の活動をとらえるためのマウスの準備 発達期においては目的の神経細胞種にウイルスの注入による蛍光タンパク質の発現は、注入から発現までに2-3週間程度の時間を要するため難しい。そこで、大脳皮質神経細胞にカルシウム感受性蛍光タンパク質が発現しているマウスを用いることで、発達期における味覚野の機能変化を観察することを可能とした。ウイルスに比べ蛍光タンパク質の発現量は少ないものの、皮質全体に平均的に分布しており、またウイルス注入によるデメリットである注入からの時間経過により発現量が変化すること、および注入部位の大脳皮質の損傷もほぼみられないため発達期における観察に有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
発達期の仔マウスに対するチャンバープレートの固定および選択に時間を要した。成体期には予想できない母マウスによる食殺などの行動異常がみられるため、チャンバープレートは自作し軽量かつ強度剛性の優れた素材を見つけ出すために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の実験系を用いて、経時的に味覚伝導路の機能解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、発達期におけるマウスのイメージング実験についてさらに安定した実験の構築が必要であるため。次年度は、マウスのチャンバープレートや固定器具などの試作のための実験機器を購入するために使用する。
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