2022 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲レーザーによる網膜色素上皮由来脂質メディエーター変化の網羅的解析
Project/Area Number |
20K18377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 章之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20724652)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病黄斑浮腫 / 閾値下網膜光凝固 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、ヒトiPS細胞由来RPE細胞にレーザー照射を行い、糖尿病黄斑浮腫に対する従来法であるcontinuous wave (CW)方式を用いた凝固法と、上記で決定した閾値下凝固(SMPL)群、レーサー非照射のコントロール群の3群で、脂質メディエーターの網羅的脂質解析を行った。HSP70が十分に発現しているSMPL群において、CW群と比較してオートタキシンATX濃度が低下していたことを確認した。 今年度は、培養ARPE-19細胞にて、コントロール群と、高血糖群、低酸素群(DFX:Desferrioxamine mesylate salt、低酸素負荷を再現する)、高血糖+低酸素群(DMEモデル群)において、HSP70、血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)、HIF-1a、Enpp2と、経上皮電気抵抗(TEER)測定によるバリア機能の変化、および、ATX阻害剤による変化がおきるかを検討したが、明らかな有意差は認められなかった。また、ATXに関連するLPA受容体の発現の変化もqPCR法により調べたが、発現変化は認められなかった。 今後は、培養ヒト網膜血管内皮細胞(HRMEC)に対して、同様の刺激を行い、VEGFや各種炎症性サイトカインの発現変化を含む生理活性変化の確認を行い、また、培養ARPE-19細胞のDMEモデルにおいて、細胞間接着蛋白発現との関連とをmRNAレベル(qPCR)と免疫染色で評価する予定である。
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