2022 Fiscal Year Research-status Report
味蕾オルガノイド培養系を用いた味蕾細胞の分化制御機構の解明
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20K18461
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
松山 佳永 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10848360)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 味蕾 |
Outline of Annual Research Achievements |
味覚の受容器である味蕾は、複数の細胞種により構成される。なかでも、III型細胞は酸味の受容に働き、神経終末とシナプスを形成することで知られる。II型細胞はうま味、甘味、苦味の受容に働く。令和4年度には遺伝子改変マウスの新生仔を用いて、初期発生味蕾内でMash1(Ascl11)発現細胞に特異的な細胞死の誘導を試みた。胎生18日にタモキシフェンを単回投与することにより、特異的な細胞死を誘導した。実験群の舌乳頭上皮では、対照群と比較して、Mash1(Ascl11)遺伝子発現量の有意な減少を認めた一方で、II型およびIII型細胞マーカー遺伝子の発現量に有意差を認めなかった。今後はタモキシフェンを投与する時点を検討し、新生仔における長期的な細胞死の誘導を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスと世界情勢の変化に伴う影響などにより実験に遅れが生じている。さらに、動物実験施設の配管工事により実験動物の飼育が十分行えない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、遺伝子改変マウスとコントロールの新生仔の舌上皮を分子生物学的に解析し、味蕾の発達におけるMash1(Ascl1)の機能の詳細を探索する。
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Causes of Carryover |
世界情勢の変化に伴う物流の混乱により実験材料の入手が遅延した。加えて、動物実験施設にて水漏れが起こったため、配管工事が必要となり、実験動物の飼育・繁殖が一定期間不可能となった。以上より、一部実験に遅れが生じ、次年度使用額が生じたと考えられる。今後は、PCRを行うためのプライマーや免疫組織化学のための抗体等を購入する。
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