2023 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病へ歯周病が与える影響についての疫学調査ならびにメカニズムの基礎的解析
Project/Area Number |
20K18497
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三上 理沙子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30822548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周病 / 慢性腎臓病 / 人工透析 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病は重症化すると人工透析を余儀なくされ、心血管疾患発症の大きなリスクとなる。国内患者数は現在1300万人を超え、増加の一途をたどっている。 近年、慢性腎臓病と歯周病との関連が指摘され、腎機能悪化に対して歯周病が影響を与える可能性が報告されているものの、メカニズムの解明はなされていな い。また、日本人を対象とした研究例は少ない。 現在までに、末期腎不全により人工透析が必要となった患者において、唾液中の歯周病原細菌(Porphyromonas gingivalis)の菌数と、慢性炎症のマーカーであるTumor Necrosis Factor Receptor (TNFR) 1,2 に有意な相関があることや、人工透析患者のうち糖尿病罹患者では歯周病がより重度であり、喪失歯数が有意に多いことを示した。また、同じ集団におけるコホート研究より、口腔内の衛生状況が悪い人工透析患者は有意に生存率が低いことを明らかにした。さらに、透析患者では低栄養や慢性的な炎症状態が生命予後の大きなリスクになることが知られ、両者を呈する患者では動脈硬化性病変を高頻度に発症することから、この病態はMalnutrition-inflammation-atherosclerosis (MIA)症候群と呼ばれる。我々は、歯周病がMIA症候群のうち、特に低栄養と炎症亢進に関与し、MIA症候群の増悪に加担する可能性を示した。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Porphyromonas gingivalis 由来LPSによる高血糖状態でのメサンギウム細胞の線維化への影響.2023
Author(s)
坂庭愛理,三上理沙子,水谷幸嗣,齋藤夏実,小湊広美,竹村修,中川佳太,秤屋雅弘,城戸大輔,武田浩平,美馬晶,岩田隆紀
Organizer
第66回春季日本歯周病学会学術大会
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