2021 Fiscal Year Research-status Report
IgA response in relation to the salivary microbiota of diabetic patients with periodontal disease.
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20K18521
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大森 実知 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60803137)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 口腔細菌叢 / IgA抗体 / 歯周病 / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は歯周病と相互に関連することから,糖尿病患者の歯周病治療,口腔管理の重要性が認識されてきている。糖尿病患者の口腔細菌環境およびそれに対する応答性は健常者とは異なることが示唆されているがその詳細は明らかでない。近年の細菌叢研究の進展により,唾液細菌叢が歯周病および2型糖尿病と関連することが明らかになってきた。
本年度は,日本人高齢者集団の2型糖尿病 (T2DM) に関連する唾液細菌叢の特徴を見出した。対象者は,65~84歳(平均74歳)の日本人高齢者84人とした。T2DM群は,血糖コントロール目的で教育入院となった42人,対照群は,年齢および性別をマッチングした健常者42人とした。採取した唾液サンプルを用いて,16S rRNAメタゲノム解析を行い,唾液細菌叢の構成比率をT2DM患者群と対照群で比較解析した。その結果,両群間で存在比率の異なる細菌を複数検出した。また,ランダムフォレスト解析を行い,T2DM群を唾液細菌叢によって予測するモデルを作成し,その予測性能が高い(曲線下面積(AUC)=0.938)ことを検証した。これらの成果について,論文作成,公表した。
また,口腔サンプル中のIgA抗体応答性を評価する系を確立した。健常者の口腔サンプルを用いて,IgA特異的標識抗体および磁気ビーズを用いてIgA結合細菌と非結合細菌を分離し,それぞれの16S rRNAメタゲノム解析を行った。その結果,IgA結合細菌と非結合細菌で菌叢に違いが見られた。現在,この系を用いてT2DM患者群と対照群の口腔サンプル中のIgA抗体応答性を比較検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,研究に必要な口腔サンプルの採取に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き口腔内サンプルの採取を継続し,サンプル数を増やす。また,口腔サンプル中の口腔細菌叢の解析,歯周病細菌の定量解析,IgA抗体応答性の評価を引き続き行い,2型糖尿病の歯周病患者に特徴的な口腔細菌の特徴を多面的に解析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,口腔内サンプルの採取を予定通り行うことができず,口腔サンプル中のIgA抗体が細菌叢に及ぼす影響についての解析方法の確立に時間を要していたため,次年度使用が生じた。 次年度は,引き続き口腔サンプル中のIgA抗体が細菌叢に及ぼす影響についての解析を行う。そのために必要な試薬および消耗品の購入および,解析委託費用に使用する予定である。
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[Journal Article] Characterization of Salivary Microbiota in Patients with Atherosclerotic Cardiovascular Disease: A Case-Control Study2022
Author(s)
13.Nahoko Kato-Kogoe, Shoichi Sakaguchi, Kuniyasu Kamiya, Michi Omori, Yan-Hong Gu, Yuri Ito, Shota Nakamura, Takashi Nakano, Junko Tamaki, Takaaki Ueno, Masaaki Hoshiga
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Journal Title
J Atheroscler Thromb
Volume: 29
Pages: 403~421
DOI
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