2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病状態におけるβ-TCPを用いた歯周組織再生療法の効果への影響
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20K18525
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
武田 浩平 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (10868110)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / 歯周組織再生治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は歯周病のリスクファクターのひとつであり、糖尿病と歯周病との関連性は多く報告されている。糖尿病患者に対する歯周治療は、歯周組織の創傷治癒遅延が知られているものの、歯周組織再生療法の効果についてはほとんど研究がなされていない。これまでに我々は糖尿病状態においても歯周組織再生療法の一つであるエナメルマトリックスタンパク質の適応により、創傷治癒と組織再生の促進をin vitro実験とin vivo実験の両方にて報告した。歯周組織再生療法のもう一つの方法であるβ-TCPは歯周病により失われた歯槽骨に補填することで、歯周組織の再生に寄与する ことが報告されている。骨補填材の第一選択は自家骨であるが、骨採取により侵襲が大きく なることや採取量に制限があるといったデメリットがあるため、糖尿病患者の低侵襲での歯周外科治療にはβ-TCPのような骨補填材が望ましい。本研究の目的は糖尿病状態において骨補填材の応用が歯周組織再生が有効性を検討することである。 現在までに、動物実験により糖尿病モデルマウスにおける口腔内の歯周組織の創傷治癒および組織再生の影響についての検討を行い、骨補填材のモデルの確立と評価をおこなった。また細胞実験により高血糖条件下における骨芽細胞への影響を解析した。また、糖尿病患者を対象に臨床研究を行い、歯周組織と全身疾患への関連性について解析を行った。 今後は、これまでに得られた知見をもとに、糖尿病状態における歯周組織再生療法の効果を動物実験の解析および細胞実験にて検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、現在高血糖状態においても骨補填材が与える影響について動物実験により検討を行った段階である。今後、動物実験の解析として組織形態学的、解析および遺伝子発現解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている、細胞実験、動物実験、臨床研究の結果を学会発表および論文化することで、さらに糖尿病状態での歯周組織再生効果を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、動物実験をおこなうにあたり、当初の想定より実験の遂行に時間をようしており、結果の解析をおこなうために研究期間の延長が必要となった。そのため動物実験などの必要物品に対して次年度使用額が生じた。
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[Presentation] 日本歯周病学会学術大会におけるハンズオンセミナー"歯周組織再生療法に必要なTips"の開催と受講者の満足度調査2020
Author(s)
石川 聡, 土岡弘明, 臼井通彦, 鬼塚 理, 工藤 求, 酒井和人, 澤辺正規, 竹内祥吾, 武田浩平, 山脇史寛, 杵渕恵那, 中島啓介
Organizer
第63回春季日本歯周病学会学術大会