2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下から認知機能低下に至るまでのプロセスの解明ー食と栄養の観点からー
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20K18636
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水谷 慎介 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (90643312)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 認知機能 / 高齢者 / 栄養 / 軽度認知障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、2025年には700万人に達すると予想されている。また、これに認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を加えると、その数は約1,300万人となる。MCIを放置すると認知機能低下が続き、5年間で約50%の人が認知症に移行する危険性があるとされているが、一方で、約24%の人は健常な状態へと回復する可能性があることも報告されている。認知症高齢者における医学的、経済的負担の増大を抑制するためにも、MCI高齢者に焦点をあて、認知症の発症を予防することは極めて重要である。 口腔機能の低下から認知機能の低下に至るまでの「栄養」、「社会参加」および「運動器の機能」の関連性を明らかにし、さらには、口腔機能の向上により認知機能の改善が可能かどうかを検討することを目的とする。 2021年度においては、新型コロナ感染拡大予防のために外出ができない状況であっても口腔機能向上トレーニングが行えるように、対面を必要としない口腔機能トレーニングアプリケーションのソフトの開発を行った。また、地域在住高齢者のうち、口腔機能の低下がみられる者を対象にアプリケーションの実証検証を行う介入研究を実施した。介入研究では、認知機能評価および栄養に関する評価を行った。2021年度終了時点において、それらのデータスクリーニングまで終了した。 一方で、口腔機能と栄養に関する知見を広めるべく、最新の論文検索を行い、レビューを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度終了時点では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、当初予定していた対象患者が受診控えをしており、対象者のリクルートは困難になっていた。2021年度に、研究テーマや研究内容を大幅に変更することなく、対象者の範囲を広げ、研究が遂行できるように調整を行い、現在は予定通りの研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、2021年の介入研究時に得られたデータを分析し、成果発表を行う予定である。また、文献検索時に得られた知見をレビューとして発表する予定としている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究計画に遅れ(調査の開催の延期)が生じたため。また、当初予定していた旅費もオンラインでの学会参加のため、見込みよりも少なかったため。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Effect of isometric tongue lifting exercise on oral function, physical function, and body composition in community-dwelling older individuals: a pilot study2021
Author(s)
Kiyomi Iyota, Shinsuke Mizutani, Hiro Kishimoto, Saori Oku, Asuka Tani, Harukaze Yatsugi, Tianshu Chu, Xin Liu, Haruhiko Kashiwazaki
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Journal Title
Gerontology
Volume: 1
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed
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