2020 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性睡眠時無呼吸に対するOA治療評価のバイオマーカーの有用性
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20K18698
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
坂本 由紀 関西医科大学, 医学部, 助教 (60734168)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸 / 脳波 / バイオマーカー / 口腔内装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時無呼吸の約30%は心血管系の障害を持っているといわれている。睡眠時無呼吸に対する治療法はCPAPが主流であるが、歯科が担う治療は口腔内装置である。口腔内装置の効果は約50%の患者に認められる。効果が認められない患者はCPAPなどの治療法になる。口腔内装置の効果判定はAHIで判断するが、実際AHIが減少しても心血管系への影響がどの程度反映されるのかは不明なことが多く、それを評価している論文は渉猟し得る限り認められない。 また口腔内装置の効果以外に装置の種類によって睡眠の質も変わる可能性がある。固定型と半固定型では、本人の装置の使用感はアンケートで半固定型のほうが優位に副作用が少ないという報告もあるが、実際睡眠の質への影響がどのくらいあるのかを客観的に評価している論文はない。またつけていない状態とつけた状態の睡眠の質に睡眠深度だけではなく、さらにそれを実際睡眠ステージN3におけるデルタパワーの定量化によって評価すると、睡眠の質が客観的に評価できる。 今回研究の目的は、マウスピースの効果がバイオマーカーに反映されるかどうか、またマウスピースの種類によって,またマウスピースを付けた状態の睡眠の質への影響はどう変わるのかを調査する。現在循環器内科から紹介をうけたOSAの患者に口腔内装置を作成前後で、高感度CRPやIL-6の変化を調べること、また2種類の口腔内装置を装着した睡眠の質を脳波を用いて行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔内装置を各対象患者に作成し、脳波の測定を行っている。採血も作成前のデータを採取している。バイオマーカーはもともと異常値を示さない患者もいるため、対象患者から外す形となる。10月に研究機関の異動があり、研究の環境がようやく整ったため、今後対象患者を循環器内科と連携して進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオマーカーが鋭敏に心血管系のマーカーとして働いているかどうかも検討の余地がある。今後は当院の循環器内科と連携を組み、心血管障害の患者のバイオマーカーを採取して検討を行う。
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Causes of Carryover |
今年は学会や研究会がコロナにより中止が認められたことや、コロナにより患者も激減した。また人事異動によって研究体制が変わったことにより、現在採血データもそろっていないため、今後は心血管障害患者20名にバイオマーカーである好感度CRP、IL-6、TNFαをOA作成前、後で測定し、脳波も測定する。
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