2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた唾液腺組織の再構築と移植による唾液腺機能回復
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20K18744
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
澤田 俊輔 関西医科大学, 医学部, 講師 (60711075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / NOD SCIDマウス / 細胞移植 / 放射線治療 / 唾液腺 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにヒトiPS細胞から神経堤細胞、頭蓋顔面神経堤細胞を介して間葉系細胞に分化させた細胞(NCB-MC)を用いて、NOD-SCIDマウスへの細胞移植を行ってきた。また、頭頸部癌の放射線治療を想定したマウス放射線照射モデルの確立を行ってきた。NOD-SCIDマウスへの細胞移植では、移植細胞が生着し、唾液分泌機能の回復を示唆する結果を得たがn数が十分ではなく確定的に唾液腺機能を回復するとは断言できない。何らかの工夫が必要であると考える。これまで、NOD-SCIDマウスにヒト細胞由来のNCB-MC細胞を移植したのち、採取した唾液より抗ヒト抗体でヒト由来のタンパクの分泌有無を検討していたが検出できていなかった。2021年度ではある方法を用いてヒトiPS細胞由来のNCB-MS細胞をNOD-SCIDマウスへ移植すると分泌唾液よりヒトタンパクの検出が可能なことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、困難であったヒトiPS細胞由来のNCB-MC細胞移植後NOD SCIDマウスから唾液中のヒト由来と考えるタンパクの検出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、NOD-SCIDマウスに移植したヒトiPS細胞由来のNCB-MC細胞の動態や機能回復への寄与を確認、検証していく。また、来年度は新たに全鉛性のコリメーター付きマウスケージを導入してさらに精度の高い放射線照射モデルマウスを作製していく予定である。
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Causes of Carryover |
年度最終時期に動物実験におけるマウスを全て実験に供したため、動物ケージ使用料が見込みより少なかった。新たに購入するマウスおよび動物実験用の鉛容器や容器の改良に使用する予定である。
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