2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた唾液腺組織の再構築と移植による唾液腺機能回復
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20K18744
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
澤田 俊輔 関西医科大学, 医学部, 講師 (60711075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動物実験 / γ線 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞から神経堤細胞および頭蓋顔面神経堤細胞を介して間葉系細胞に分化させた細胞(NCB-MC)を用いて、放射腺による唾液腺障害に対して、移植細胞が機能回復に寄与するか評価するために実験を行ってきた。具体的には放射線照射モデルマウスにNCB-MCを移植し、移植細胞の生着やマウス唾液からのヒトタンパク成分の検出を試みてきた。マウス唾液より移植細胞由来と考えられるヒトタンパク成分の検出に成功し、機能回復を評価する予定であった。しかしながら、ヒト細胞をマウスに移植するため、免疫不全マウスであるNOD-SCIDを用いてきたが、安定した放射線照射環境を構築(的確な放射線遮蔽環境)することが困難であった。そのため、全鉛性のコリメーター付きマウスケージを導入し、照射環境を整えた。実際に、従来では死亡もみられる照射線量でも現在のところマウスの生存が確認できている。すなわち、唾液腺周囲に的確な放射線照射がおこなえていると同時に、的確に唾液腺に放射線照射がおこなえている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
covid-19を含む様々な診療体制の変革等により、研究時間の減少につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、全鉛性コリメーターを導入したことによりより安定した放射線照射環境が整ったと考える。今後は、移植した細胞が放射線ダメージをうけた唾液腺内でどのような動態を示すのかを検討していく予定である。in vivo実験に加えて余裕がある場合はin vitroでも検討をおこないたいと考えている。 また、研究時間の減少に繋がった診療体制については徐々に体制が整いつつあるため再び研究日や研究時間の確保が可能になると考える。
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Causes of Carryover |
前述したように、研究計画と比較し進捗状況が遅れているため期間延長をおこなった。そのため次年度使用額が生じた。引き続きマウスへの細胞移植実験をおこなっていくため次年度使用額を消耗品、マウス購入や動物センター利用料等に使用していく予定である。
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