2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた唾液腺組織の再構築と移植による唾液腺機能回復
Project/Area Number |
20K18744
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
澤田 俊輔 関西医科大学, 医学部, 講師 (60711075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、ヒトiPS細胞から神経堤細胞および頭蓋顔面神経堤細胞を介した間葉系細胞様細胞に分化させて細胞を用いて、マウスへの移植実験をおこなってきた。移植細胞の生着を確認し、手技を確立してきた。また、ある条件でそれら細胞を移植するとマウスの唾液中にヒト由来タンパクの分泌を示唆する結果をえた。摘出した顎下腺内でのヒト由来タンパクの局在ははっきりせず蛍光免疫染色などで今後詳細な検討が必要となると考える。また、放射線照射モデルマウスの作製が順調にすすみ、照射から細胞移植をおこなうタイミングが重要と考えている。マウス唾液中にヒト由来唾液成分が分泌されたということは、ヒトiPS細胞由来の移植細胞が唾液腺の成熟(組織修復)になんらかの影響を与えていることが予想される。本研究が進行することとにより放射線治療における萎縮した唾液腺の機能回復という目的だけではなく、未だ解明されていない唾液腺の機能構造的な器官形成のメカニズム解明のための一助となる可能性があり意義が大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
covid-19を含む様々な診療体制の変革等により研究時間の短縮に繋がった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は移植のために準備した細胞の精製や解析をすすめるとともに、放射腺照射から移植までのタイミングを振って放射線照射によりダメージをうけた唾液腺への細胞移植においてどのタイミングが適切であるか(Therapeutic time window)の検討をおこなっていく予定である。
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Causes of Carryover |
前述したように研究計画と比較し進捗状況が遅れているため期間延長をおこなった。そのため次年度使用額が生じた。引き続きマウスへの細胞移植実験をおこなっていくために次年度使用額を消耗品、マウス購入や動物センター利用料等に使用していく予定である。
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