2021 Fiscal Year Research-status Report
トリプトファンによる睡眠時ブラキシズムへの介入効果の検討
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20K18805
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
外山 直樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50803152)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / トリプトファン |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズムとは睡眠時の「歯ぎしり」や「食いしばり」のことであり、顎関節、筋肉、歯、歯周組織に破壊的な影響をもたらす。しかし、睡眠時ブラキシズムの治療法となると対症療法に限られており、装置(咬合スプリント)による歯列への負担軽減が一般的である。近年、脳内セロトニンの不足が睡眠時ブラキシズムを引き起こすことが分かってきた。セロトニンはトリプトファンを材料に生合成されるが、トリプトファンは体内で生成できないため、食事やサプリメントを通じて摂取しなくてはならない。そこで応募者らは、トリプトファンの摂取は睡眠時ブラキシズムを改善させる可能性があると考えた。 今年度の実施内容は睡眠時ブラキシズムとトリプトファン摂取都の関連を横断的に検討するために、大学生130名に対して自己記入式質問調査、栄養調査、光曝露把握のための日記作成を行った。自己記入式質問票調査によって、過去の研究で明らかになっている睡眠時ブラキシズムと関連を認めた要因を調査した。栄養調査によって、トリプトファンを含む154の栄養素摂取量を推定した。光曝露把握のための日記によって、1日の日光曝露量およびブルーライト曝露量を推定した。また、睡眠時ブラキシズムが疑われる学生に対して筋電計による睡眠時ブラキシズムの測定を行った。総Episode数、Phasic episode数、Tonic episode数、Mixed episode数、1時間あたりのEpisode数、1時間あたりの波形数、Phasic波形数、Tonic波形数、1時間あたりの波形持続時間合計を調査した。 本研究の重要性は、睡眠時ブラキシズムとトリプトファン摂取量との関連を明らかにするものであり、対症療法にのみ頼っていた睡眠時ブラキシズムの治療法に一石を投じる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、研究対象者のリクルートが想定より困難になり、研究実施に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
横断研究のデータ採取はおおよそ終了しているため今後は分析を進めていく。 今年度中の論文投稿を目標にしている。 介入研究実施を予定していたが、今年度中の実施は困難である。
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Causes of Carryover |
当初計画を変更し介入研究を実施しないこととしたため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は学会発表費および論文掲載費として使用予定である。
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