2020 Fiscal Year Research-status Report
Does the deterioration of social determinants of health worsen oral health and further worsen the other health?: natural experiment study
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20K18820
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 貴文 東北大学, 歯学研究科, 助教 (10850612)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会疫学 / 因果推論 / 自然実験 / 歯科学 / 災害医学 / Build Environment |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は2019年に実施した調査データのクリーニングを実施した。さらに、内閣復興支援アーカイブに沿岸部限定ではあるものの、東日本大震災における岩沼市の家屋被害の認定データが存在していることを把握したため、データ補完作業を実施した。また、岩沼市への栄養調査の結果を通知する書類などを岩沼市、日本老年学的評価研究機構(JAGES)機構などと連絡を取り実施した。 分析においては、まず被災地域における、調査参加者の自宅から歯科医院までのアクセスの影響が地域住民の被災後の口腔の健康に影響があったかを確認することとした。分析データは2010,2013,2016年の3時点パネルデータである。結果変数を各パネルデータにおける歯の本数、暴露変数を2011年東日本大震災による家屋被害、共変量を4時点における参加者の自宅から歯科医院までの距離、性、年齢、婚姻状態、収入、糖尿病既往、ADL、友人と会う頻度、被災による家族との死別を用いた。研究参加者は2105名、このうち歯科医院までのアクセスが悪化したものは被災後5年間で588名であった。期間中の歯の喪失経験者は878名であった。ランダム効果モデルでの分析の結果、歯科医院までの距離が遠くなった者ほど歯の喪失リスクが増加していた(β-0,75 95%信頼区間-1.35;-0.15)ことが分かった。 本分析から歯科医院までのアクセスという口腔の健康に関連する周囲環境の影響が口腔の健康と関連している可能性が示唆された。現在、歯科医院までの距離を連続値としてモデルに投入し、再分析した結果を英文誌に投稿する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度調査の栄養関連データ納付が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け遅くなったことにより、データの授受に遅延が生じたこと。また、本研究を遂行する上で重要となる家屋被害の欠損値を補完する可能性がある内閣復興支援アーカイブデータとの突合作業が発生したため、最終的な解析までは至れない状況であった。しかし、プレ分析は実施できているため、まずはプレ分析の結果を英文誌に投稿する準備を進めることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年のデータを組み合わせた4時点パネルデータを用いて、分析を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
データの納付が遅くなったことに伴い、計画を一部修正したため。また、GISについては研究協力者の支援を受け、導入の必要がなくなったため。
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