2023 Fiscal Year Annual Research Report
オープンデータを利用した日本におけるHIV治療の変遷と実態の把握
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20K18892
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 博之 東邦大学, 薬学部, 准教授 (30747770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HIV感染症 / NDBオープンデータ / 抗HIV薬 / 処方実態 / JADER / 有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度中(2023年2月)に投稿していた論文の修正と再投稿作業(2023年6月9日 受理)及び学会発表(2023年7月)が主な研究実績であった。論文受理後には、一連の研究成果に関する最終的なデータ整理等を行った。 本研究課題である「オープンデータを利用した日本におけるHIV治療の変遷と実態の把握」は、①NDBオープンデータを用いた抗HIV薬使用の実態・変遷の調査・解析と② JADERを用いた抗HIV薬に関連する有害事象の発現状況の調査・解析の2部で構成され、HIV感染症領域ではこれまでにほとんど利用されてこなかったNDBオープンデータやJADERの利用に関する有用性を示すことができたと考えられる。具体的な成果としては、第一にNDBオープンデータの解析から2016年度から2019年度までの4年間の抗HIV薬の処方動向を調査し、本研究の開始前に既に調査が完了していた2015年度データと合わせることで5年間の抗HIV薬の処方実態を明らかにした。第二に、2004年4月から2020年3月までにJADERに登録された全有害事象発現症例の中からPLWH(HIVと共に生きる人々)であると推定される症例を抽出し解析することで、日本における抗HIV薬の承認やHIV感染症治療ガイドラインにおける推奨薬剤の変更に伴う有害事象報告の変遷を明らかにした。初年度は、コロナウイルス感染症流行の影響があり、十分な成果が挙げられなかったものの、結果として学会発表3演題と論文2報をまとめることができた。
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