Clinical epidemiology in violence and violation in a psychiatric inpatient settings

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K18965
• Research Institution: Kyoto Prefectural University of Medicine
• Principal Investigator: 綾仁 信貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90777939)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 院内暴力 / 粗暴行為 / 違反行為 / 精神科 / 医療安全

Outline of Annual Research Achievements

本研究の令和4年度は、令和3年度と比較して新型コロナウイルス感染症（以下、COVID-19）の影響は緩和され、カルテ調査での施設訪問ができる回数が増えたものの、予定した訪問がキャンセルとなることや、勤務先病院でのCOVID-19対応のために研究に十分な時間が割けない状況が度々発生した。その中で研究協力者の協力のもと、データ収集作業を進め、全調査対象者539人（2018年01月01日から2018年06月30日に研究協力施設3施設の精神科に入院した全入院患者）の年齢、性別、入院日数、主病名の情報収集を完了した。また調査期間（2018年01月01日から2018年12月31日）中に発生した粗暴行為および違反行為の件数について、調査が完了した31人分のデータをまとめ、2022年10月17日から20日にかけてブリスベンで開催された38th　ISQua’s International Conferenceで中間結果の発表を行った。発表では、31人中粗暴行為は14人に84件、違反行為は12人に32件発生しており、発生頻度はそれぞれcrude rate: 270 and 103 per 100 patients; incidence: 48 and 18 per 1000 patient-daysという結果で、高い頻度で粗暴行為や違反行為が発生していること明らかにした。以後もデータ収集を続け、2022年03月の時点で76人の調査を完了し、粗暴行為は27人に95件、違反行為は32人に77件生じており、発生頻度はそれぞれcrude rate: 125 and 101 per 100 patients; incidence: 24 and 19 per 1000 patient-daysという結果となっている。今後もデータ収集作業を継続し、収集後の解析と論文執筆につなげる。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年03月以降の新型コロナウイルス感染症の影響により、2021年の冬まで研究協力施設への訪問と現地での調査を行うことができず、2022年04月以降は次第に影響も緩和されつつも、調査できないことも度々あり、データ収集作業に遅れが生じているため。

Strategy for Future Research Activity

研究協力施設においてデータ収集作業に携わることができる研究協力者を募集し、データ収集作業を加速化させる。2022年度の時点で、現地でのカルテ調査による1次レビューを完了した者は全対象患者の20%程度であり、対策にもかかわらず2023年度中に全対象者の1次レビューをを完了させることが困難と予想される場合には、研究期間の延長も検討する。収集したデータはほぼ同時にデータベースに入力を進めており、1次レビューが完了し次第、完成したデータベースを元に2次レビュー（医師複数名によるデータ分類の妥当性の検証）を行い、データ固定後、速やかに解析、および論文化を行う。

Causes of Carryover

2020年03月以降の新型コロナウイルス感染症蔓延の影響が、程度は緩和されたものの2022年度も続き、研究協力施設への訪問と現地での調査の頻度が予定よりも減ったことにより、現地への訪問にかかると考えていた旅費や、また現地での調査のために研究補助員に支払う謝金を使用することができなかった。2023年度はこれまで遅れていたデータ収集作業を加速化させるため、研究協力施設でデータ収集作業に携わることができる研究協力者を募り、研究調査のための訪問での旅費、および研究協力者への謝金を使用する予定である。