2020 Fiscal Year Research-status Report
新任期保健師の内発的動機付けを促すピアサポートシステムの構築
Project/Area Number |
20K18996
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
尾無 徹 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (30846324)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 新任期保健師 / 内発的動機付け / ピアアサポート / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,日本では複雑多様化した健康問題が生じており,行政保健師に質が高く幅の広い保健師活動が求められている.そこで国は「保健師の人材育成計画策定ガイドライン」(平成28年3月)を作成し,各県で90.6%,特別区等では80.4%で人材育成計画が策定された.しかし,市町村では35.1%と著しく低く,また,実施の効果に関する研究や報告は少ないのが現状である.次に,保健師活動領域調査を見てみると,平成25年から平成29年までに全国自治体常勤保健師の約1/5が退職、全体の1/4が入職5年以下の新任期保健師という状況を鑑みると,自治体保健師の人材育成には多くの課題がある.この他,分散配置が進んでいことや沿線から離れた自治体に所属する保健師の存在を考慮すると,これまでの上司が部下を教育する人材育成のみでは限界がある.そこで,どこでどのような人員体制でも,新任期保健師同士が有機的につながり,自ら能力育成していくことが求められると考え,新任期保健師の内発的動機付けを促すピアサポートシステムの構築の着想に至った. 新任期保健師が「自ら動く」ためには,初めに新任期保健師の保健師活動に対する内発的動機付けの要因は何かを明らかにすることが重要と考え,令和2年7月に岩手県立大学大学院看護学研究科研究倫理審査会の承認を得て実施した(承認番号278).自治体保健師経験年数5年目以下の新任期保健師で、研究の参加同意が得られた11名を対象とし,S・ヴォーンのフォーカス・グループインタビューの技法(2012)を参考にインタビューガイドを用いて1回あたり3名から6名の計4グループに実施した.実施期間は令和2年10月から11月,インタビュー時間の平均は123分,最短106分,最長150分であった.ICレコーダーの録音記録から逐語録を作成し,現在分析をしている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響から当初予定していた先進地視察ができなかった.また,新任期保健師も新型コロナウィルスの対応があり,新任期保健師の内発的動機付けに関するインタビューが上半期に実施できず,その分遅れが生じている.
|
Strategy for Future Research Activity |
①現在分析中のデータを令和3年6月までにまとめる. ②①を基に新任期保健師の内発的動機付けの要因に関する調査用紙を作成し,令和3年8月~10月に全国調査を実施する. ③②を分析してアプリケーションの開発を行う. ④アプリケーションのテスト運用を実施する.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナウィルスにより先進地視察ができなかったため. 使用計計画:令和3年度も新型コロナウィルスのため,先進地視察は難しい.そのため,令和4年度に学会発表等の際に,共同研究者と先進的な取り組みの学修も含めて実施する.
|