2023 Fiscal Year Annual Research Report
新任期保健師の内発的動機付けを促すピアサポートシステムの構築
Project/Area Number |
20K18996
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
尾無 徹 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (30846324)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新任期保健師 / 内発的動機づけ / 尺度 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
新任期保健師の保健師活動に対する内発的動機づけを測定する道具を作成することを目的に尺度を作成し、信頼性・妥当性の確認を行った。本研究では、IMI(intrinsic motivation inventory)を参考とし、翻訳及び逆翻訳を行い、予備調査から調査項目の内容妥当性を確認した。本調調査として、全国の市町村から500市町村を無作為抽出してWebアンケートにて回答を求め、324名を分析対象とした。その後、項目分析・探索的因子分析・確認的因子分析4を行い、計9項目削除し、3因子、12項目の最適解を得た。項目間相関は0.716~0.937、Cronbach α信頼性係数は0.80~0.95、全体では0.86であった。モデル適合度はRMSEA0.099、GFI0.91、AGFI0.86、CFI0.94と概ね許容できる値であった。以上より、新任期保健師の保健師活動に対する内発的動機づけを測定する尺度として一定の信頼性・妥当性が確認された。 次に、新任期保健師の内発的動機づけを高めることを目的として作成したプログラムを、研究協力の得られた12名に実施した。尺度をプログラム実施前と後で活用して、対応のあるt検定で有意差を確認した。またグループインタビューも実施し、質的にも評価を実施した。概ね良好な結果が得有れているが、詳細については現在分析中である。 本研究全体を通じ、新任期保健師の内発的動機づけを高める要因、内発的動機づけを測定する尺度、内発的動機づけを高めるプログラムを作成できた。これは、新任期教育がまだ成熟していない公衆衛生看護分野において意義があると考える。今後は、尺度の精度をより良くするための質問項目の検討、介入プログラムの実施と検討を繰り返し、新任期保健師のサポートシステムを構築できるよう取り組んでいく必要がある。
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