2022 Fiscal Year Research-status Report
看護師の組織社会化過程における入職前からの時系列変化と規定要因に関する研究
Project/Area Number |
20K19007
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
竹内 久美子 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (80453455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護管理 / 人的資源管理 / キャリア発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
新卒看護師が入職後、組織に適応していく過程は「組織社会化」の一部であり、組織社会化の指標として組織適応が活用されている。組織社会化研究では、これまで新卒看護師の「ある特定時点における組織適応の高低」をもとに議論がなされてきたが、新たな研究視点として「組織適応の時系列変化」に着目した検討の必要性が指摘されている。とくに社会化には予期的社会化の影響の重要性が指摘されており、入職前の予期的社会化状況を把握する必要がある。本研究では(1)新卒看護師の「入職前からの組織適応の時系列変化」の軌跡を明らかにし、(2)新卒看護師の予期的社会化における「入職前の規定要因」が入職後の組織適応の時系列変化にいかなる影響を及ぼすのか、(3)入職後の上司や同僚からのサポート等の「職場」要因が組織適応の時系列変化に与える影響を明らかにす ることを目的としている。 上記の目的をふまえて当該年度は、主にこれまで蓄積してきたデータの整理および研究枠組みの見直し、研究方法の再検討、次年度調査実施のための準備(倫理員会の承認・調査対象者のリクルート)を行った。当初は調査実施を予定していたため、研究の進捗状況としては遅れている。しかし、研究の枠組みを整理し、さらに新しい知見を考慮した内容とすることは、今後の研究の発展に極めて重要である。縦断的調査における対象者のリクルートも終了しており、次年度から調査実施・分析の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、病院での大規模調査が困難であるため、調査対象を減らすとともに質問紙調査だけではなく面接調査も組み入れことに変更したため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時は、病院をターゲットととし質問紙調査により量的な分析を予定していたが、コロナ禍により複数の病院での質問紙調査が困難となった。そのため、質問紙調査だけではなく面接調査も取り入れ、看護師の初期キャリア発達の中でも、組織への適応の過程を明らかにすることとした。これらの調査結果から、新卒看護師の組織適応の過程が記述的に明らかにあると考える。また本研究結果から、組織適応の過程を表す指標が明確となれば、新卒の時期だけでない、継続的なキャリア支援に発展することでができる。
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Causes of Carryover |
研究全体の進捗が遅れており、調査が次年度となっているため、次年度使用額が生じている。
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