2020 Fiscal Year Research-status Report
BAP傾向の学生にも対応した看護実践能力育成のための教育モデルの開発
Project/Area Number |
20K19013
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
川村 晃右 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (20708961)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Broad Autism Phenotype / 看護系大学生 / コミュニケーションスキル / 看護実践能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、Broad Autism Phenotype(BAP)に関する研究がほとんどみられないことから、以前から取り組んできた教員が捉える発達障害のある看護系大学生に対する教育上の困難とそれに対する支援についての文献検討の精緻化を図った。発達障害のある学生は、【患者の思いに寄り添うことの困難さ】があったり、【グループダイナミクス活用の不十分さ】があったりするため、教員は【援助場面の再構成による理解の促進】や【言語情報の理解と表出の促進】を図っていた。また、【論理的な思考の困難さ】や【指導内容の集積の困難さ】があるため、教員は【達成可能な方法への変更】を行ったり、関係機関による【支援体制のマネジメント】を行ったりしていた。さらに、【自己統制の困難さ】に対しては、【自己統制力を高める支援】を行っていた。 また、看護系大学生のBAPの状況と、コミュニケーションスキルや看護実践能力との関連を明らかにするために質問紙調査を実施した。対象は、近畿圏にある2大学の看護系学部に在籍する4年生174名とした。質問紙調査の内容は、属性、Broad Autism Phenotype Questionnaire 日本語版(BAPQ-J)、ENDCOREs、看護実践力尺度とした。前年度に調査を行っていた対象者を含めて、BAPQ-Jの得点で学生を区分すると、正常型、境界型、BAP傾向の高い型に区分された。さらに、BAP傾向の高い型は、BAPQ-Jの下位尺度である、打ち解けなさの低い型と高い型に区分された。BAP傾向が高い型はコミュニケーションスキルが低く、打ち解けなさの高い型は看護実践力尺度の修得が困難となる可能性が示唆された。 今後、文献検討と質問紙調査の結果を含め、教育モデルを検討していく計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は、予定通り、質問紙調査を実施することができたため、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献検討と質問紙調査の結果に基づき、教育モデルを検討する計画である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対策のため、研究に関する打ち合わせはオンラインでおこなったこと、学会や研修等が中止となったことから、余剰金が発生した。未使用の予算は、次年度に同じ用途で使用予定である。
|