2022 Fiscal Year Research-status Report
BAP傾向の学生にも対応した看護実践能力育成のための教育モデルの開発
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20K19013
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
川村 晃右 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (20708961)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Broad Autism Phenotype / 看護系大学生 / コミュニケーション・スキル / 社会的スキル / Social Skills Training |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究実績より、BAP傾向が高く、打ち解けなさの高い学生は、コミュニケーション・スキルが低いため、看護実践能力のなかでも対人関係能力の修得が困難であることが明らかになった。対人関係能力は社会的スキルとして捉えられており、Social Skills Training (SST)によって訓練することができる可能性がある。そのため、当該年度はBAP傾向が高く、打ち解けなさの高い学生の特徴を考慮したSSTプログラムを計画し、パイロットスタディとして実施した。その結果、BAPの傾向が低い群において、プログラム後にKiSS-18の下位尺度である「攻撃に代わるスキル」、ENDCOREsの下位尺度である「他者受容」がプログラム前より有意に上昇した。また、BAPの傾向が高い群において、プログラム後にKiSS-18の全項目、「攻撃に代わるスキル」、ENDCOREsの下位尺度である「表現力」「自己主張」が有意に上昇した。これらのことから、SSTプログラムはBAPの傾向が低い者でも社会的スキルとコミュニケーション・スキルを向上させ、高い者ではより顕著に向上させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パイロットスタディとしてSSTプログラムの効果を検証した。現在、この結果を看護系学会誌に投稿中であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、BAPの傾向が低い場合でも高い場合でも、コミュニケーション・スキルや社会的スキルの向上につながるようにプログラムの精緻化を図りながら、BAPの傾向により学修困難となっている看護学生が参加しやすいように検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響から、想定していたよりも研究参加者が少なくなった。また、学会にも参加できなかったことも次年度使用額が生じた理由である。学会での発表等による研究成果の周知を計画しており、それらに充てる予定である。
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