2020 Fiscal Year Research-status Report
協働意識醸成を目指した短時間勤務制度運用プログラムの開発と有用性の検証
Project/Area Number |
20K19041
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
南谷 志野 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (30865572)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 協働 / 看護師 / フルタイム勤務 / 短時間勤務 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師の短時間勤務制度を運用する上での重点課題である、フルタイム勤務看護師の「短時間勤務者との協働意識」を高めることを目指した短時間勤務制度運用プログラムを開発するため、研究の第1段階としてフルタイム勤務看護師の「短時間勤務看護師との協働意識」に影響を及ぼした経験や働くことに対する価値、態度を明らかにすることを目的とした質的記述的研究を実施中である。 研究対象者は、一般病棟で勤務しているフルタイム勤務看護師10~20名であるため、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みて研究協力依頼を控えていたが、第3波収束の兆しを確認した2021年3月~研究協力依頼を開始した。現在は、6名の研究対象者を確保し、半構造面接(1人当たり60分程度)を行っている。 半構造面接では、まず、面接直前にフェイスシート(年齢・看護職実務経験年数・現病院在籍年数・配偶者および子供の有無・有給休暇取得率・短時間勤務への転換希望の有無)と「短時間勤務看護師との協働意識尺度(CCSFN-PN)」(南谷,2016)に回答してもらった。なお、CCSFN-PNは〈差異化意識〉〈おかげ様意識〉〈しわ寄せ意識〉〈お互い様意識〉を下位尺度とする4因子26項目構造で、回答は「1:ほとんど当てはまらない」「2:やや当てはまらない」「3:どちらとも言えない」「4:やや当てはまる」「5:かなり当てはまる」の5段階リッカート尺度である。次に、CCSFN-PNの回答に偏りがあった項目、すなわち1もしくは5と回答したものを中心に、回答理由やそれに影響した経験、その経験によって変化および根付いた認識や態度等について質問した。 今後は、結果の分析を進めるとともに、研究対象者数確保のため、研究協力依頼も並行して進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の研究対象者は、一般病棟で勤務しているフルタイム勤務看護師であるため、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みて研究協力依頼を控えていた時期があったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度中に、研究の第1段階である、フルタイム勤務看護師の「短時間勤務看護師との協働意識」に影響を及ぼした経験や働くことに対する価値、態度を明らかにすることを目的とした質的記述的研究を終え、2022年度中に学術集会での発表を目指す。引き続き、研究の第2段階として、第一段階の結果を踏まえた質問紙調査を全国規模で実施し、「短時間勤務看護師との協働意識」への関連要因を明らかにする。その後、第3段階として、これまでの研究結果をもとに、フルタイム勤務看護師の「短時間勤務者との協働意識」を高めることを目指した短時間勤務制度運用プログラムを開発し、協力病院においてその有用性の検証を行う計画である。 研究初年度から新型コロナウイルス感染症の影響を受け、計画がやや遅れ気味ではあるが、現時点では計画変更は行わず当初の計画で進めていく。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルスの影響により研究の開始時期が遅れたことで、令和2年度に使用する計画であった経費が令和3年度にずれ込むことになったためである。 研究計画はこのまま変更せず進める予定であるため、令和2年度に実施予定であった現在進行中の研究第1段階に引き続き、令和3年度中に研究第2段階の実施に向けて準備していく予定である。 そのため、助成金は、第1段階の面接調査と第2段階の全国規模の質問紙調査のために用いる計画である。
|