2021 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the effectiveness of self-pulse palpation education at the discharge for the preventing aggravation of patients with ischemic stroke.
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20K19079
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
福岡 泰子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (60410205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 自己検脈 / 指導 / 実態調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、脳梗塞患者への退院時における自己検脈を含む自己管理の実態を①病院を対象に脳梗塞患者へ指導状況と、②患者の実施状況の調査を行い、③脳梗塞患者への看護師の自己検脈の指導で、患者自らの検脈によって、異常時受診し脳卒中再発や心血管疾患の早期発見につながるか否か、を検証する3段階の研究を予定している。 今年度は、①脳梗塞患者へ指導状況の実態調査を行った。一般社団法人日本脳卒中学会が定める一次脳卒中センターの認定要件を満たす全国の967施設(令和3年12月16日現在)から無作為抽出した500施設を対象に郵送法による質問紙調査にて明らかにした。 調査の期間は、令和4年1月から2月28日までに、110施設より回答を得て(回収率22.0%)、分析対象は98施設(有効回答率19.6%)であった。 本調査の結果は、指導の中心となる脳卒中リハビリテーション認定看護師は、回答のあった86施設中49施設で1人以上の配置があった(57.0%)。脳梗塞の患者へ退院時にセルフモニタリング指導を「行っている」と回答した施設は34施設(34.7%)であった。指導を「行っていない」と回答した施設の理由は、「指導する人がいない」「指導する教材がない」「患者が出来ないので指導していない」であった。また、患者へ退院時にセルフモニタリング指導を「行っている」と回答した34施設うち11施設(34.7%)は脈拍測定を指導していた。 現時点での結果から、脳梗塞の患者には自己検脈の指導はほとんど行われていない。さらにセルフモニタリングの指導の必要性は感じているものの、指導できる人材の確保や教育が十分でないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画では、病院での指導に関する実態調査と患者の実施している自己管理の実態調査が終了し、自己検脈を含めた指導を行った介入研究に着手を終了する予定であった。新型コロナ感染症の制限が少しずつ緩和する方向が示されている中、病院ではまだ徹底した感染対策が求められており、家族の見舞いなども制限している施設は多い。研究者も患者の家族同様、附属病院などでない限りは制限される。したがって、研究に協力して頂ける病院から協力を得られる状況になるには、まだしばらくの時間が必要である。病院の協力が現時点でも見込めず、患者への実態調査や介入研究が困難なため研究の進捗状況が大幅に遅れている。 今後は、施設への指導をできる人の教育も視野に入れた自己検脈を含むセルフモニタリング指導の介入研究を進めて、実施の時期を含めた計画への変更を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の影響から、病院に研究を協力して頂けるようになるには、まだしばらくの時間が必要である。さらに、施設を対象とした結果から、自己検脈はほとんど実施されていない現状であり、本研究の計画にある②患者の自己検脈の実施に関する実態を調査できる施設の選定が非常に難しい。さらに①脳梗塞患者への退院時のセルフモニタリング指導についての研究からも十分に行われていないことが明らかになった。 したがって、今後の研究の推進方策として、②患者の自己検脈の実施に関する実態の調査を含んだ③自己検脈の指導による介入効果の検証を行う計画へ変更を検討している。したがって、自己検脈だけに限らず血圧測定などその他のセルフモニタリングの指導についての介入研究とすることにした。 変更の概要は、施設で患者へセルフモニタリングの指導ができる看護師への教育も視野に入れた介入計画を立て、その教育を受けた看護師が退院前の脳梗塞の患者へ自己検脈の指導を含めたセルフモニタリング指導を実施する。その後、指導を受けた患者の自己検脈の実施に関する実態を合わせて追跡していく内容にすることで本研究の目的は達成できると考える。 変更における問題は、病院から協力を得ることであり、研究者が移動したことも加えて新たに協力を得られる病院を探すことがあげられる。さらに、新型コロナ感染症の対応などで多くの病院が病棟の編成など行っている中で、研究に協力できる人材の選出が難しいと考えられる。そのため、実施が可能になるように時期を含めた研究計画を再検討しながら進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
今回調査した結果では、指導をしている施設自体が少なかったことが明らかとなった。加えて、調査予定としていた病院での患者を対象とした調査が、感染症の拡大によって、病院の協力を得ることが困難であった。しかし、新型コロナの感染対策状況も緩和に進んでいることから、今後実施できる見通しと考える。 今回の調査結果から、研究方法の見直しを行い、予定していた自己検脈を含むセルフモニタリング指導の介入調査を次年度に行う。打合せやデータ入力に使用するノートパソコンとその周辺機器のほか、追跡調査に必要な印刷や郵送にかかる費用や患者への調査に協力いただける病院との打合せの際に生じる旅費などが生じる。よって、本年度に使用する予定であった研究費を次年度に使用する予定である。
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